三鷹食堂日記帖

飯食い酒飲み自転車をこぐおやぢの日常。MT車大好き。

2004-10-01から1ヶ月間の記事一覧

「若い読者のための短編小説案内」

とりあげられた小説をただの一編も読んでいない。すぐには読めないものばかり。結果「案内」を先に読むことになった。村上春樹はまあ、こんだけの批評眼と分析力がありながら、なんでまたあんな底割れした小説を書くのか、と義憤(笑)を覚える。小説が売れな…

中落ち定食

デパートやスーパーで売っている「マグロ」で、平たい積み木みたいな形状のものがあるでしょう。切ればまんま「お刺身」になる。あれを「サク」と言います。で、マグロをサクにした残りのお肉が「中落ち」。味は「お刺身」とさほど変わらないのだけど、サク…

「銭−ぜに−」

幽霊?の少年少女を狂言回しに、ゲーセン、コンビニ、まんがやアニメなど「今どきの若い衆」にとって身近な事物の「経済」を分析していくという異色まんが。かなり突っ込んだ取材の産物らしく「痛い」部分にまで迫っている。「ミナミの帝王」より「ナニワ金融…

「CASSHERN」追記

たった一つの命を捨てて (いや、最初から死んでるし) 生まれ変わった不死身の身体 (だから死んでるし。不死身でもないし) 鉄の悪魔を叩いて砕く (悪魔ちゃう。可哀そうなひとたち) キャシャーンがやらねば誰がやる! (大東亜連邦軍がやりまんがな!)…

「CASSHERN」

レンタルDVDで観る。なんちゅうか、とんでもない映画だった。1930年代のファシズム芸術家の幻想のような架空世界。そこで展開するのは、タチの悪いクスリやって観た幻覚のようなドラマ。原作はタツノコ? 丸尾末広か大越孝太郎の間違いだろう。 アニメの「新…

実写「キューティーハニー」

レンタルDVDで観た。おもしろかったよ。ところどころヌルいし、最後の戦いはおたく的には??だったが、総合的には十分及第点だ。 あの「70年代的」としか言いようのない独特の悪趣味なセンスが炸裂したアニメ(この作品の場合まんがのほうが派生物だと思う…

「若さでムンムン」

山田参助はマンガエロティクスで知った作家。8月末に出たら買おうと思っていたのだが、ついつい買いもらしていた。一読驚嘆…はちと大げさか。友情とホモの境などあって無きが如しと納得できる(納得すんな!) 連載、読みきりともに、登場する女子が簡単にや…

新潟中越地震

土曜日の夕刻、赤羽台団地の商店街を歩いていたところ、ぐらりときた。シャッターがガタガタと鳴り、アーケードの屋根が揺れる。あわてて、とりあえず建物から離れる。「また揺れた、二度目だよ!」と商店のおばさんが叫ぶ。それで、少し前にも揺れたことを…

「ねじまき鳥クロニクル」

ほぼイッキ読みで読了。予想通り底の割れた話だが、「海辺のカフカ」ほど、どうしようもない割れ方はしていない。自分が「カフカ」について書いたことは、ほとんどすべて「ねじまき鳥」にも当てはまる。広げた風呂敷を畳まずに終わる無責任さ、無用の残虐趣…

「海辺のカフカ」追記の追記

「海辺のカフカ」をググって、言及しているサイトをざっと回ったが、違和感を覚えることしきり。彼のファンのコア層は「読者」というよりも「信者」なのだな、と再確認する。そのへんを村上春樹風に書いてみたい誘惑に駆られる。 たとえばこんな風に考えてみ…

「海辺のカフカ」追記

この作品中には小動物に対するR15レベルの残虐シーンがあるのだが、シーンそのものの酷さに加えて作者の計算が見え過ぎて嫌。何年か前に某まんが家と話していた時の「おたくの内臓趣味」を思い出した。どういうことかと言えば、おたくはメカと美少女が好き…

「海辺のカフカ」

「アフターダーク」をきっかけに、村上春樹の最近の小説を読んでおきたくなった。ちなみに自分は村上春樹の最初期からの読者の一人(「風の歌を聴け」を大学2年の時に雑誌で読んだ)なのだが、若くナイーブな(ダサい、鈍臭いという意味だ)年代から、自分自…

映画「デビルマン」続き

なんかまあ、大変な事態になっているようで。自分は作品本体は観てないし、観るつもりもないのだが(笑) どうやら興行vs作品性という構図になりつつあるようだ。すなわち「賛否両論が盛り上がれば客が呼べる。映画は観客動員してナンボ」=「批判される作品が…

「国が燃える」続き

ネットでの検証をみた限りでも、ちと言い訳の難しい描写だったようだ。自分が感心したのはここ↓ 簡潔に分かりやすく「捏造」を指摘している。 http://www.geocities.co.jp/Bookend-Ryunosuke/8312/page044.html しかし、いや、だからこそYJ側は作品内容を…

セイタカアワダチソウ

「食堂」本体のほうでも幾度か話題にしたが、あらためて、けっこう好きな「秋の花」かも。すかっと晴れた秋の空と黄色い花の取り合わせは悪くない。 同じくらいの高さのススキとの取り合わせも良いし。もう何十年かしたら、すっかり「日本の秋の風景」に馴染…

「きらめく映像ビジネス!」

監督、ディレクターではなく、プロデューサーにとっての映像論、メディア論というところが、ちと新鮮。映画からTV、CMまで「映像」の仕組みが分かりやすく解説されている。「あのワクのトレンディードラマはむしろF2ターゲットのシットコムとして成功…

「イノセンス」

レンタルDVDで観た。傑作じゃん。 バトー主人公のポリスディテクティブストーリーに徹して、草薙素子関連描こうという誘惑をストイックに退けたのが勝因。バトーかっこいいよバトー(笑) 「人間vs人形」の論議を呼んだという、ラスト近くのバトーの台詞だ…

ヤングジャンプ「国が燃える」休載

南京事件の描写に対しての読者や「地方議員グループ」の抗議を受けてのことらしい。 さほど熱心な読者ではないがYJはずっと読み続けていて「国が燃える」も読んでいた。当該の件については「いわゆる大虐殺派の主張に即した描写」と認識していた。作品が拠…

キンモクセイ

「金木犀」と書くと、えらいカタい印象だが、だいだい色の可愛らしい花。よく香る。秋を感じさせる匂い。今年はあいにくの雨続きで早々に散ってしまったが。 中国・桂林原産とのこと。桂林には行ったことが無いし「水墨画みたいな風景」てなパックツアーパン…

「キル・ビル2」

1は劇場で観たが2はDVDの1&2パック買って観た。1に比べると地味ながらケレンとマニアックなお遊びはいっぱい。 2のほうがタランティーノ本来の作風に近いと思う。自分は「タラ本来」よりも「タラ悪趣味全開」にイカれたクチなので、ちと不満。1で日…

映画「デビルマン」

一昨日公開の映画「デビルマン」が酷評されている。 一口に酷評といってもいろいろある。演出に対する酷評、シナリオに対する酷評、キャストに対する酷評、製作会社に対する酷評、CGなど技術的側面に対する酷評、原作ファンからの酷評、アニメファンからの…

赤羽M家

独り飯、独り酒の時には本でも雑誌でも新聞でもいい。何かしら活字が不可欠なのだが、この店だけは例外。周囲のざわめきに耳を傾け、「顔」を観ているだけで、なまじの小説を読むよりもずっとおもしろい。カウンター席が細長い「コ」の字になっていて、向か…

シュレック

シュレック [DVD]出版社/メーカー: 角川エンタテインメント発売日: 2004/11/19メディア: DVDこの商品を含むブログ (42件) を見る「最強」と報道された台風22号の直撃を予想し、今日は一日ひきこもり態勢。時間潰し用に借りてきたレンタルDVDで観た。当然濱ち…

劣化ウラン弾の危険性

今日べんきょうしたこと。れっかウランだんのきけんせい。 1.あたると死ぬ。 2.こなをすうと毒。(ナマリよりちょっと弱い毒がある) さんこう:http://mltr.e-city.tv/faq09f.html

アフターダーク

アフターダーク作者: 村上春樹出版社/メーカー: 12345発売日: 2004/09/07メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 54回この商品を含むブログ (534件) を見る奇妙な話。一本の映画には足りないが、2時間枠のテレビドラマにちょうどいいようなボリュームと内容。…

夢−−−「誰も知らない」

これは書き記しておかねばならないことだった。今朝方見た夢は、自分が中高生時代を過ごした町を舞台に、松林やら海岸やらを行き来するものだったが、映画「誰も知らない」の影響があった。二度は観たくないと思った「誰も知らない」を、またビデオかなんか…

運動会

天高く快晴でそこそこの風もあり、絶好の運動会日和だった。万国旗はためく下、赤勝て白勝てエイエイオー、と掛け声も勇ましく、おさなごらがかけまわる秋の一日。 人生の晩秋にこそ繰り返し思い出してみたい。そんな、平和を絵に描いたような一日だった。 …

大学で何を学んだか?

自分自身の「学問史」を振り返るに、高校時代までは学校の勉強以外何一つしなかった。大学時代は事実上の独学で、ほとんどが的を外していた。社会人以降も独学だが、年季を積んだ分、多少の見通しはつくようになった。 今でこそ分かるのだが、こと学問に関し…

サブカル批評

愛・蔵太氏が取り上げていた「サブカル関係の批評の貧困」について。一番簡単な対処法は、貧困を嘆いている当人が批評すること。「暗いと不平を言う前に進んで灯りをつけましょう」 推論でも偏見でも何でも書きまくれば「それは違うぞ」「ここらへんを読みま…

図書館に訊け!

図書館に訊け! (ちくま新書)作者: 井上真琴出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2004/08/06メディア: 新書購入: 4人 クリック: 295回この商品を含むブログ (85件) を見るネットでググれば何とかなる、という考えが大甘であることを思い知らされる。いや、違う…