三鷹食堂日記帖

飯食い酒飲み自転車をこぐおやぢの日常。MT車大好き。

2005-06-01から1ヶ月間の記事一覧

レオノール・フィニ展

渋谷の東急Bunkamuraにて。自分もご多分に漏れず澁澤龍彦経由。「幻想の画廊から」で知って以来、一度モノホンを観てみたかった。ようやっと叶った。 感想だが、ぱっと見には目をひくが、どうにも俗っぽい。抽象性の高い「鉱物の時代」がマシだが、ハヤカワ…

機本伸司「僕たちの終末」

面白かった。太陽活動の異状で破滅的危機が近づく地球から脱出するため、人類初の有人恒星間宇宙船を建造する、というお話。昔の「ハードSF」であったような設定だが、今から45年後の2050年の日本の話であるところがミソ。プラズマ封じ込め型の核融合が実…

西尾維新「きみとぼくの壊れた世界」

良く書けている。ライトノベルの童貞厨房ミステリとしては、かなりの水準なのではないだろうか。他の作家作品をほとんど読んでいないので断言はできんが。ちうか、この程度が仮に「平均」だとしたら、ジャンル自体を見誤っていた、と反省すべきであろう。 「…

西尾維新「新本格魔法少女りすか」

2冊読んで「ファウスト」掲載の最新作も読んだ。連作短篇だが、一作一作、新しい切り口と趣向を盛り込んでいる。キャラクター造形に手間暇をかけながら、「キャラ萌え」に頼らず、アイディアとプロットで勝負している。若い作家だが、力量は十年選手を凌ぐ。…

キャベツとシラスの炒飯

キャベツが豊作貧乏状態だそうだ。収穫するばかりの畑をトラクターで潰すシーンをテレビで流していた。もったいないが、しょうがないわな。 それにしてもキャベツは安い野菜だ。70年代のフォークソングで「雨の降る日は仕事もせずにキャベツばかりをかじって…

「バットマン ビギンズ」

ダークな雰囲気はとても良かった。主人公のキャラ立ちまくっていたし、「若き大富豪がなぜバットマンに?」という基本テーマもキチンと描けていた。問題は敵役。なんですか、あのヒマラヤ忍者軍団は? 主人公の修行の場と敵とを一つにまとめたところに根本的…

「恋愛資本主義」の真実

「電波男」の著者も含め、オタクさんたちのほとんどが誤解しているようだから、おぢさんが、ごく簡単に解説してあげよう。 あのねー、「恋愛資本主義」からすれば「女」は商品なの。で、生物学的に人類は♂♀のどちらかだけど「♀=女」ではなくて、「若い♀の特…

「電波男」

恐ろしい本である。下手に売れたなら、この先10年20年に渡って、日本人の生涯非婚率を10ポイント以上上昇させ、超高齢社会の到来を早めるくらいのインパクトがある。いや、実際、10代20代のナイーブな青少年が読んだら、多少の「イケメン」だろうが「非オタ…

「キングダム・オブ・ヘブン」続きの続き

ネタバレ&酷評注意。 承前。ついにエルサレムの城壁の一角が崩れ、白兵戦となる。士気高い守備側が、かろうじてイスラム軍の侵攻を食い止めたところで、バリアンvsサラディンのトップ交渉となる。キリスト教徒住民の生命保証と安全撤退を条件に、開城を決め…

「キングダム・オブ・ヘブン」続き

ネタバレ&酷評続行。 承前。さて、当時のエルサレムの状況を簡単に説明する。物語より約1世紀前、十字軍がエルサレムを侵略し、ムスリムやユダヤ人を大量虐殺した。キリスト教徒のエルサレム王をトップとし、十字軍騎士たちを封建領主としたエルサレム王国…

「キングダム・オブ・ヘブン」

ネタバレ&酷評であることを最初におことわりしておく。ツッコミの都合上、ストーリーのほぼ全体を紹介することになるが、「それだけツッコミがいのある懐の深い大作」であるとも言える。 12世紀フランスの山村。寒々とした空の下、若い女性の埋葬シーンから…

シャワートイレ

…はINAXの登録商標らしい。「ウォシュレット」がTOTO。 ともかく12年使った「それ」が壊れたので、新しいのを買ってくる。お値段は12年前の約四分の一。それだけ普及したのだろう。 当然取り付け工事を頼むものだと思っていたら、最近は自分でやるの…

「お父さんのバックドロップ」

レンタルDVDで観た。タイトルから期待される内容が100%詰まった作品。 子役のイジリかた、南果歩の使い方など、「異論」てんこ盛りなのだが、ラストの「異種格闘技」シーンで「すべて許す。電話まつ」てな気持ちになれた。 「プロレス」がスポーツか格闘技…

厄日続き

梅雨入りの体調不良は何とか回復したが、この1週間ばかり、読んだ本も観た映画も外ればかり。悪口書くのはほめるのの数倍のエネルギーが必要。よって感想もアップできない。ストレスたまるぜ。 ま、それでも何とかやっているのだが…。

記憶の風化

「記憶」が個々人の主観的なものだとして、「風化」は、それが多少なりとも客観的な歴史として定着するための、必然的なプロセスなのではないか、と思う。 たとえば会津に行って「白虎隊の悲劇」を聞くとする。会津人、とりわけ旧士族にとっては断腸の思い無…

追記

と、「リンゴちゃん」の絵を描いてる長崎訓子って、どっかで見たタッチだと思ったら「金持ち父さん 貧乏父さん」や「チーズはどこに消えた?」などのイラストのひとではないか。売れっ子さんだよねー。 キヨサキ本は、父さんも金持ちになれるかと思って買っ…

角野栄子「リンゴちゃん」

こどもが図書館で借りてきた。なんか異様に受けているので、ざっと読んでみた。 いなかの おばあちゃんが リンゴを たくさん おくってくれました。 その はこの なかに、おばあちゃんが つくった おにんぎょうが はいっていました。 おてがみも いっしょに …

体調不良

梅雨入りの頃に身体の調子を崩すことがここ数年の通例だったのだが、今年もまた…。 GW明けの初夏の東京は一年で一番過ごしやすい季節なのに対して、梅雨時は最悪。そのジェットコースター的落差にやられるのだと思う。 梅干でリカバーできれば良いのだが。

「電車男」続き

一晩おいてあらためて思うに、恋愛映画としてはかなりの傑作なのではないかと、評価を上方修正する。中谷美紀を「老けてる」と決めつけて、ファンのかたがたの反発が怖いのだが、自分としては、中谷は、あえてエルメスを設定22歳の電車男(山田孝之・21歳)…

「電車男」

正直、まったく期待していなかったのだが、予想外の佳作だった。山田孝之の「泣き」で6割がた成功している。男泣きというより、高校野球が終わった直後のチアガールみたいな泣き方。男女問わず、あんなにめろぐちゃな泣きっぷりを映画で観たのは久しぶり。で…

空はもう真夏

最低でもサイバーショットU40は必ず持ち歩いていて、目に留まったものアレコレを「ビジュアルブックマーク」している。 もっとも、最近は駅や電車でうら若き婦女子を狙って良からぬ「ブックマーク」をする手合いが増えているらしく、そのような不逞の輩と誤…

ドイツW杯最終予選

再度北朝鮮を下した日本、W杯出場決定。おめでとう。 「バンコクでの無観客試合」というヘンテコなマッチだったが、国立に集結した青いサポーターは十二分に燃えたようだ。 ドベ確定の北朝鮮なんかじゃなく、イランにリベンジして堂々の1位通過というのが少…

ちんこぱっど

久しぶりに愛機Thinkpad(2台目)のサイトにアクセスしたらページデザインその他はまんまなのに「レノボ・ジャパン」になってんの。サイトもhttp://www.lenovo.comに変わってる。 今使ってるR32は使用歴2年半。まだ1年2年は使えるとして、そっから先はどうし…

ねずみの海

初めて行く。 「作り物でも、ここまで作り込んでくれれば満足」というのが率直な感想。「本物」だってしょせんは誰かが作ったものだし、最高の材料と最高の技術の所産とは限らない。そうじゃないもののほうが多かろう。入ってすぐが「ヨーロッパの港町」をイ…

「スチームボーイ」

レンタルDVDで観る。アニメーションそれ自体はレベル高いし、観ていて気持ちがいいが、映画としては「なんだかなー」というレベル。背景や設定(ゲームで言うところの世界観)はメチャクチャ作り込んでいるが、プロットがダメダメ。キャラクターも生かさ…

夕立

凄い雨だった。ちうか、降り始める前の空の様子が怖いほどだった。現実の空じゃなく、大異変が現れる直前の空を表現した、特撮のシーンみたいだった。 かつて「東京には空がない」と断言した智恵子さんなるひとがいらっしゃったらしいが、この午後の空の様子…

靖国神社・追記

昨日紹介した日記を書いた時点で、自分が誤解していたことがある。 靖国神社に祀られている御霊はすべて生前の氏名が分かっているかたたちであり、その意味では「無名戦士」というのは当たらない。靖国神社から徒歩10分足らずの「千鳥ケ淵戦没者墓苑」に、戦…

靖国神社

自分にとっての「転機」は1999年10月だった。その日の日記を転載しておこう。 午後、ふと思い立って靖国神社へ行く。会社から徒歩15分ほどのご近所なのだが、1度しか足を踏み入れたことがない。花見で一回だけだ。えらく寒い花見だったということだけ覚えて…