三鷹食堂日記帖

飯食い酒飲み自転車をこぐおやぢの日常。MT車大好き。

角野栄子「リンゴちゃん」

こどもが図書館で借りてきた。なんか異様に受けているので、ざっと読んでみた。

 いなかの おばあちゃんが リンゴを たくさん おくってくれました。
 その はこの なかに、おばあちゃんが つくった おにんぎょうが はいっていました。
 おてがみも いっしょに はいっていました。

 この おにんぎょうは
 リンゴちゃんと いいます
 まちに いけるので、おおよろこびです。
 マイちゃん、あそんであげてね。

その「リンゴちゃん」が↓のような造型。無愛想でつまらないので、マイはリンゴ箱の中に放り込んだまま忘れてしまう。

 よなか、マイが おしっこに おきると、ろうかの ほうから、コリコリコリって いう おとが します。
 ものおきの とを あけると、リンゴちゃんは、くちを おおきく あけ、リンゴを コリコリコリって たべています。
 もう 五つも たべています。

妖怪やんか!

マイを脅迫してむりやり「だいすき」と言わせたリンゴちゃんは、裏切ったら「リンゴやまののろい」をかけて「だんまりいし」にする、という。石化の呪文か何かのようだ。
「田舎のおばあちゃんが作ってくれたぬいぐるみが動いたりしゃべったりする」というと林明子の名作「こんとあき」を思い出すが、なるほど、こういう切り口もあったか、と感心した。 

リンゴちゃん (おはなしボンボン)

リンゴちゃん (おはなしボンボン)