三鷹食堂日記帖

飯食い酒飲み自転車をこぐおやぢの日常。MT車大好き。

2005-04-01から1ヶ月間の記事一覧

青木冨美子「ライカでグッドバイ」(文春文庫)

「ベトナム戦争」読書3冊目。ほとんど名前しか知らなかった沢田教一の仕事を知る。ピュリツァー賞から「戦死」まで、まさに戦場カメラマンの「典型」だったのだな。 津軽出身で、三沢基地の写真店員から、UPIの現地雇いカメラマンとなった沢田の屈折を知…

歴史のif

そもそも、1941年時点の日本が「アジア最強の反共国家」だったと率直に認めるならば、その日本と総力戦をしたのがアメリカの失敗。もちろん、日本にとっては大失敗。太平洋戦争が無かったら、中国の共産化は無かったし、朝鮮戦争もベトナム戦争も起こらなか…

松岡完「ベトナム戦争」(中公新書)

あの戦争を以下の6つの視点で分析した労作。 1.アメリカvsソ連 2.ベトコンvs北ベトナム 3.中国vs北ベトナム 4.アメリカvs南ベトナム 5.アメリカvs東南アジア諸国 6.アメリカ政府vsアメリカ世論 これでようやっと「ベトナム戦争」の全体像が掴め…

開高健「輝ける闇」(新潮文庫)

「対岸の彼女」の角田光代のエッセイ集「今、何してる?」(朝日文庫)で、ベトナム旅行中に読んでハマった、てなことを書いているのを読んで、急に読みたくなった。 ビンゴ! もっと早くに読んでおくべきだった。昭和43年=1968年の作品なのに、まったく古…

「69」と「マークスの山」

「69」は「あの時代」を従来の映画とは違う、こんなテイストで美味しいお料理にしてみました、という作品。「あの時代」がリアルタイムだったおじさんたち(すでにおじいさんたち?)にとっては、複雑な感情を喚起させられるだろうことは想像に難くない。 …

首都高の二輪車二人乗り

こないだ久々首都高を走ったら「二輪車二人乗り一部区間禁止」と出てるのを目にした。一部にせよ「二人乗りOK」になったんスか? 知らんかった。でも「一部」だけじゃ、違反運転を誘う結果となり兼ねないし、その上危ない。もっとも、自分がバイク乗ってた…

長山靖生「いっしょに暮らす。」

漱石の「こころ」に他者同士の共生というテーマを深読みする解釈は興味深かった。血縁でも夫婦・恋人でもない同士が、一緒に暮らすことなど出来るのだろうか? またそれは必要なのだろうか? 「一つ屋根の下」的共生には擬似的な家族関係が必要不可欠であり…

ライブドアvsフジテレビ

和解はそれこそ「おめでたい」結末だったが、関係各者のソロバン勘定はどうなのだろう?ライブドアはキッチリ儲けた。ライブドアに金を貸したリーマンはウハウハに儲けた。フジは当初の目論みよりは金がかかったが、ニッポン放送を子会社化できて、これまた…

「ゼブラーマン」

クドカンつながりでレンタルDVDで観る。予想外の傑作。 正直、中盤まで退屈だったが、ラスト十数分で面白さ急上昇。中盤までの退屈は、計算されたものだったのだな。そう感じたのは、自分が多少なりともおたくだからかもしれない。一般人にとって、非常に…

コストコ初体験

幕張の外れにぽつんと建っている外観からしてちと異様。駐車場に車をとめ、入り口で4200円払って「会員」になり、店内に入る。お目当てのダイソンサイクロンクリーナーは、思っていたよりデカい。一回り小ぶりなものが欲しかったのだが、ダイソンはそれ一種…

「真夜中の弥次さん喜多さん」

客を選ぶ作品だが、しりあがり寿ファンなら必見の佳作。 ホモで薬物中毒の喜多さんを演じた中村七之助の上手さが際立っていた。弥次さんの長瀬智也もけして悪くは無かっただけに、比較されて損するだろう長瀬がちと気の毒だった。 しりあがり寿まんがの実写…

「ウォーターボーイズ」

「スウィングガールズ」に続いて、まことに遅まきながらレンタルで観た。期待通りの佳作。「ガールズ」は「ボーイズ」とペアを構成する映画だったと分かる。竹中直人が「怪しいコーチ」なのも一緒。校長は谷啓だし。 男子高生たちがビキニパンツいっちょで水…

「スウィングガールズ」

レンタルで観た。予想通りの佳作。 というか、予想通りの内容で、予想通りの面白さだった。「田舎の女子高生がビッグバンドジャズをやる」という設定だけで50%以上成功している。 バカでダサくて不器用で、元気だけはいっぱいの女子高生たちが、ガチャガチャ…

今日の一首

「できちゃった」 嫁の告白 凍る俺 ケツニキビとは思いもよらず (板吉)

中国の反日暴動

「良い傾向」とあえて言っておこう。中国の本音は反日で友好は仮面。岸田秀ではないが、政治的事実を冷徹に見すえるよりも、甘っちょろい幻想を愛するのが日本人の常。その幻想に一杯なりとも冷や水を浴びせておくのは悪いことではない。日式スーパーのガラ…

「ジョゼと虎と魚たち」続き

映画が面白かったので、田辺聖子の原作小説も読んだ。文庫本でわずか26ページの短編だったのは意外。ここからあの映画を作り上げた脚本と監督の才能を評価したい。 小説のほうが映画よりもエロチックでロマンチック。「繊(ほそ)い人形のような脚」という描…

「ジョゼと虎と魚たち」

レンタルで観た。佳作。 今さら自分が書くまでもないことなのだが。従来の障害者モノの定番的パターンは、障害者は天使のような無垢な人格で、世間やら周囲の人間やらの偏見により、不幸になっている。それを救う主人公は「白馬の騎士」。あらゆる障害を排除…

小説&映画「櫛の火」(ネタバレ含有)

原作小説は古井由吉で1974年初版刊行。昨年6月に八重洲地下街の古書店で見つけて買ったものを、ようやっと読んだ。 ざっとストーリーを紹介すれば、主人公の大学生・広部は、昔の恋人・弥須子と再会し、寝る。かつて弥須子は、先鋭的な学生運動に身を投じて…

桜の季節は…

…キチガイが急増する季節でもある。仕事柄、電話アポだけで(時にはそれすら無しに)初対面の人間と会うことが多い。中には明らかにいっちゃってるひとがいる。良く分からない話を熱心にするのを30分ほど聞いて、丁寧にお帰り願うのが通例。 女性にはやらせ…

「対岸の彼女」

良い小説だった。いわゆる「女の友情」ではない、女同士の熱い友情の物語。ハッピーエンドだったから10倍良い。アンハッピーにしたほうが「人間の真実」をより深くえぐれて純文学的に正しいのだろうが、そんなんは糞食らえ。 現在を小夜子の視点で書き、過去…

ローマ法王死去

ローマ法王は、世俗的には世界最小の「バチカン市国」の元首だが、精神的には全世界10億カトリック信徒の「教皇」だ。「王」よか格上の「皇帝」よりさらに上のレベル。 葬儀には各国首脳が参列することになる。「葬儀外交」のまたとないチャンスだろう。それ…

「ダ・ヴィンチ・コード」

「ベストセラーには手を出すな」は信条ではなく「野生のカン」。言わば鬼太郎の妖怪アンテナのようなもので、駄作に敏感に反応する。で、避けてきた作品の一つなのだが、「アーサー王」がらみで読まざるを得なくなった。………結果、駄作アンテナの信頼性が実証…

「幼稚園」改め「認知園」 「蔑視的」指摘で文科省変更へ

http://psychodoc.eek.jp/diary/?date=20050401 なんだよ「幼稚園」までNGワードになんのかよ、と30分ほど義憤に燃えてしまった。いや、お見事。