「69」は「あの時代」を従来の映画とは違う、こんなテイストで美味しいお料理にしてみました、という作品。「あの時代」がリアルタイムだったおじさんたち(すでにおじいさんたち?)にとっては、複雑な感情を喚起させられるだろうことは想像に難くない。
あえて図式的に描けば、全共闘→新左翼→連合赤軍事件 と展開した。「あの時代」に「汚い大人たち」に対してコブシを振り上げた若い連中の、そのコブシは、角材からバールになり、標的は「機動隊」から「対立セクト」になり、さらに「同志」となった。
「69」が完全にスルーした、その後の「歴史」を描いた作品も押さえておきたい。高村薫の原作を崔洋一が映画化した「マークスの山」とかさ。「血塗られた言葉、内ゲバ」
「69」ではリベラルで無気力な教師役を演じた岸部一徳が、「マークスの山」では、運動当時の内ゲバ殺人の悪夢に追われるおっさんを演じていた。
2本レンタルして続けて観れば、一興かもしれない。
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