三鷹食堂日記帖

飯食い酒飲み自転車をこぐおやぢの日常。MT車大好き。

日本株市場のしくみ(1)

三鷹工業という銘柄があるとする。現時点の株価は1000円。投資家Aさんが現物で買って、3か月後に2000円に上がっていれば、1000円儲かる。500円に下がっていたら、500円損する。

ところが投資家Bさんの場合は、損も得もしない。Bさんは1000円で現物を買うと同時に1000円で空売りしてるから。3か月後に2000円に上がっていれば、現物は1000円の儲けで、空売りは2000円で買い戻すから1000円の損。合わせてゼロ。500円に下がっていたら、現物は500円の損で、空売りは500円で買い戻すから500円の儲け。合わせてゼロ。

Aさんは個人投資家で、動かせる資金は少ない。Bさんは機関投資家で、巨大な資金を動かせる。

ここまでが前提。こっからがシミュレーション。

三鷹工業の決算が良くて、株価が上昇した。Aさんは1000円で現物を買って、3か月後に2000円まで上がった。そこでBさんが空売りをかけて、株価が1500円まで下がった。Aさんは1500円で現物を買い増した。Bさんはさらに空売りをかけて、3か月後に株価が500円まで下がった。Aさんは泣く泣く現物を売り払った。Aさんの買価は1000円+1500円=2500円。売価は500円+500円=1000円。1500円の損。Bさんの売価(空売り)は2000円+1500円=3500円。買価(買い戻し)は500円+500円=1000円。2500円の儲け。

Bさんの儲け2500円のうち、1500円はAさんから頂戴したもので、1000円は株価(=企業価値)が1000円から500円に下がった三鷹工業から頂戴したもの。

三鷹工業はモノ作りで社会に貢献しているし、Aさんの投資はそれを助けている。でも両者とも損をして、何も生産せずに単にお金を動かしただけのBさんが儲けている。

Bさんって泥棒じゃね?」と思ったひと、正解です。そしてこれが日本株市場で日々起きていること。

株は100株単位で取引されるから、Aさんの実際の損は15万円。1000人のAさんから計1億5000万円、三鷹工業から1億円をかすめとり、2億5000万円を荒稼ぎするのが、機関投資家のBさん。実は「外人」。