三鷹食堂日記帖

飯食い酒飲み自転車をこぐおやぢの日常。MT車大好き。

2004-11-01から1ヶ月間の記事一覧

「なんにもうまくいかないわ」

平安寿子の新刊。同じキャラクターを主役に脇役にと使いまわしていく手法の連作短編5編+独立短編1編という構成。連作のほうは40代に入った未婚・子無しの「負け犬」ヒロインが、男苦労を繰り返しつつも屈託無く生き生きと過ごす毎日を描いたもの。いつもな…

矢島翠

ググってみたら元共同通信記者で翻訳者。夫は加藤周一(!) 著書「ヴェネツィア暮らし」は残念ながら絶版中らしい。タイトルがシャレとはとても思えないダンナの「夕陽妄語」よか、ずっとおもしろそうである。

酒と本の日々

夕食は駒忠のカウンター。鶏サラダ、ホッケと食って焼酎お湯割り3杯。2千円足らず。その前に入った書店で、吉田健一「金沢・酒宴」講談社文芸文庫を買う。駒忠ではほとんど読み終えていた須賀敦子「地図のない道」を読了。優れたエッセイ。ヴェネチアの娼婦…

やっぱり変だよ曽野綾子

産経新聞金曜生活面の連載コラム「透明な歳月の光」。今日のタイトルは「人間社会 善悪超えた人いて当然」で、こんな内容だった。 イラクでのマーガレット・ハッサン殺害について述べ、女性やこどもは殺さないだろうという「日本的思考や世界の常識が通用し…

テレビ嫌い

新しいテレビのテストも兼ねて、ここ1週間ほどテレビを観る機会が比較的多かったが、下らなさを再確認した。他に娯楽の無い暇人の時間潰し。ニュースでも天気予報でも、オンデマンド当たり前のネットを見慣れていると時間の無駄。自分はとんとやらなくなって…

「サンダーバード映画版」

レンタルDVDで観る。公開時には評判の悪い映画だったが、おもしろかった。そのおもしろさは「昔」の「オリジナル」を知ってるからじゃないかとも思う。おなじみトレイシー兄弟はパパとともに衛星軌道上でほとんどの時間を過ごし、ミソッカスの末っ子アランが…

「英語と英国と英国人」

吉田健一の著作を読むのはこれが初めて。明治末年に吉田茂の長男として生まれ、小学生時代から、支那、フランス、イギリスで暮らす。帰国して暁星中学に転入し、卒業後、ケンブリッジに留学するため再び渡英。いわば「元祖帰国子女」である。 だが、その見識…

科学技術館

こどもを連れて北の丸公園の科学技術館へ。上野の国立科学博物館の「いじれる」「あそべる」コーナーを拡大したような感じ。 マスクメロンぐらいの大きさの金属球を、テコや滑車やラダーなどのアイテムを配したサーキット内を転がしていくというアトラクショ…

テレビ買い替え

先週テレビが突然壊れた。色味が補色に変わったような感じで、NHKのニュースキャスターも「ケロロ軍曹」の冬樹くんも全員顔が青紫色だ。1年ほど前に出張修理をしてくれた電気屋さん(こういうサービスをしてくれる電気屋さんは現在ほとんどいない)に電話…

中村獅童

別にファンでもアンチでもないのだが、この人の「声」には感心させられたことがある。 「ピンポン」という映画で、獅童は眉まで剃ったスキンヘッドで「ドラゴン」というキャラクターを怪演していた。主演の窪塚洋介はじめ若い出演者たちのほとんどは、演技は…

スーパーレィディ・ライス

ブッシュ政権セカンドシーズンでは、パウエル国務長官が辞任し、ライス補佐官が後を継ぐとのこと。英語の勉強がてらVOAのニュースを聴き読みしたのだが、あらためてライスってスゲー女性なのな。 http://www.voanews.com/english/2004-11-16-voa61.cfm 南部…

「ジハードとテロリズム」

オサマ・ビン・ラディン(著者の表記ではウサーマ・ビン・ラーデン)はすでに死んでいる、と著者は推察する。その根拠はアラブ世界の文化に対する著者の洞察に基づくものであり、決定的なものではないにもかかわらず、かなりの説得力が感じられる。 インター…

呪われた町ファルージャ

「囚われのファルージャ」なる出所不明の文章がプロ市民連中の間でチェーンメール化しているらしい。アメリカ・イラク連合軍の包囲攻撃を受けているファルージャを、アメリカにより原爆を投下されたヒロシマや、旧ソ連軍により蹂躙されたアフガンの首都カブ…

車の平均寿命

「自動車の平均寿命10.97年・調査開始以来最高に」とのこと。 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20041115AT1F1501815112004.html うちの愛車(日産プリメーラワゴン)は先月の車検が3回目。3+2+2でもう7年も乗っている。ふと思いついて車検制度について調べ…

紀宮さまご結婚

日本全国数百万「負け犬」の星が…(w お相手の黒田慶樹氏は、東京都職員でアルファロメオスパイダーベローチェにお乗りだとか。 こんな車だ。オーナー以外には絶対に乗りこなせず、オーナーでも週に一度はエンジン始動に失敗しそうな車。 いわゆる「御曹子」…

ファルージャ作戦

マスコミ報道によれば、今現在、米イラク連合軍は、市内の8割を確保している。12日まで5日間の戦死者は、米軍22人、イラク軍5人、武装勢力側は約600人とされているが、進攻に先立つ砲爆撃による死者数が正確にカウントされれば、さらに増えるのではないかと…

中年力

英語に限らず、何か新しいことを年取ってから始めようとすると、自分自身の覚えの悪さに驚かされる。若い頃は何でもスポンジのように吸収できたのに、今は何度繰り返してもなかなか身につかない、と暗澹たる気持ちになる………ということは、実は三鷹の場合、あ…

英語その後

今年1月から始めた「英語力強化作戦」だが、茅ヶ崎方式の月刊英語教本に加えて「CNN English Express」も購読し始めた。基礎的な聴き取りから、何遍聴いても何言ってるのか分からない「Crossfire」まで、いろいろ入っているのが良い。 自分にとって当面必要…

フグの肝

5年ほど前に食堂厨房に書いたネタ↓だが、意外な事実?が判明した。 http://www.ss.iij4u.or.jp/~mitaka/chubo/chubo991114.htm 太田和彦「ニッポン居酒屋放浪記 疾風篇」新潮文庫 によれば、大分のフグ屋ではどこでも肝を出してくれる、とのこと。地元民に限…

松本仁一「カラシニコフ」

旧ソ連の技術者ミハイル・カラシニコフ(身長162センチの元戦車兵。未だ存命)が開発した自動小銃AK47をモチーフとしたルポルタージュ。 いろんなことを考えさせられた。AK47=通称カラシニコフの、シンプルイズベストの設計思想。ろくに手入れしなくとも泥…

おねいちゃん英語

時間潰しでセルフサービスの喫茶店に入ったら、たまたまアメ男+日本女のカポーが2組。「アメ」というのは英語の発音からそう推察しただけで、違うかもしんない。一組は、英語の基礎的レクチャーを延々とやっている。「ジャンボと言うのは例えば象を描写する…

本当の戦争の話

週末の楽しみ赤羽M家。カウンターに座ってのフェイスウォッチング。 隣りの爺さん4人はお仲間かと思いきや、2対2の初対面同士で、戦争話が花を咲かせている。全員昭和12年から13年の生まれだから、実際に戦争に行ったわけじゃない。60年前の国民学校の軍国…

ブッシュ再選

相場的には良かった。少なくともケリー勝利なら売り込まれて下落は必至だったのが避けられた。とはいえ「一寸先」しか見ていないので、その先は分からない。 日本的には間違いなく良かった。曇りから大雨が予想される東アジア情勢を考慮するに、傘を持たない…

「高慢と偏見」

故あって読んでいるところ。18世紀末のイギリス女流小説で、恋愛小説の古典として名高い。ジェーン・オースティン21歳の処女作。下巻巻末の解題で、訳者の富田彬は、 この『高慢と偏見』のような構成のととのった、登場人物のそれぞれがその性格に従って明確…

業田良家「フォークソング」

もう何年も前の話だが、不覚にも涙ぐむほど感動してしまったまんががある。わずか20ページの作品で、こんな内容だ。 「ギター一本で喰っていきたい」という主人公・浜田雄太はストリートミュージシャン。押しが強くてケンカも負けない。ショートカットの彼女…

「都会の幸福」

「ファスト風土化する日本」への追記。 曽野綾子のエッセイで「都会の幸福」という本がある。一言で言えば「東京人の徹底的な自己肯定に基づく田舎の悪口」。ソフィスケートしたつもりで底意地の悪さが透けて見える、彼女独特の嫌味な文章で書いているから、…

「ファスト風土化する日本」

「ジャスコ文明」「ファスト風土化」と著者がセンセーショナルに言挙げるのは、要するに日本全国が均一な都市郊外に変貌しているとのことだが、「東京」を象徴とした都市型消費文化が、一番リーズナブルな形で地方にまで普及しただけのこと。それを何より求…