三鷹食堂日記帖

飯食い酒飲み自転車をこぐおやぢの日常。MT車大好き。

中村獅童

別にファンでもアンチでもないのだが、この人の「声」には感心させられたことがある。
「ピンポン」という映画で、獅童は眉まで剃ったスキンヘッドで「ドラゴン」というキャラクターを怪演していた。主演の窪塚洋介はじめ若い出演者たちのほとんどは、演技はともかくセリフがダメダメだった。叫ぶシーンでは「うわんだらったらんぜ!」てな感じで何を言ってるか分からないし、小声でつぶやくシーンでは「もしゅにもしょにょら」てな感じで、これまた聞き取り不能。滑舌とか訛りの問題以前に、ちゃんと「声」が出ていないのだ。「あえいうえおあお」とかやったことが無いのだろうか?
そんな中でただ独り、獅童のセリフだけは完璧に聞こえていた。低く囁くようなセリフさえ、ハッキリと耳に響いてくる。ひとえに歌舞伎俳優としての訓練の賜物なのだろう。こんなところでも「伝統芸能」の力を思い知らされた。