三鷹食堂日記帖

飯食い酒飲み自転車をこぐおやぢの日常。MT車大好き。

夢−−−「誰も知らない」

これは書き記しておかねばならないことだった。今朝方見た夢は、自分が中高生時代を過ごした町を舞台に、松林やら海岸やらを行き来するものだったが、映画「誰も知らない」の影響があった。二度は観たくないと思った「誰も知らない」を、またビデオかなんかで観るはめになり、それと少年時代の追憶が入り混じって、自分自身が映画の空間を追体験して…てな感触の夢。あの作品は、自分が思っているよりもずっと深く自分の心に突き刺さっているようだ。
「誰も知らない」が観客に与える最も強烈なメッセージは「大人がちゃんと見ていないとこどもは死ぬ」というものだ。それも、特段の事件も何もない、淡々とした日常の中で、一番弱い子から死ぬ。さながら「自然淘汰」のように。これは、こどもを持つ親としては、直視できないほど辛い「現実」である。
と、書いて初めて気づいたが、「自然淘汰」という概念と、今ここにいるこどもへの愛は絶対的に相容れない。それが親の情というものであろう。
あの映画を観た後、こども客に対していつもより優しくなった、てな記述をネットで読んだ。玩具店に勤務しているらしい、読書家のサイトだ。自分もそう。通りすがりのヨソの子に対しても、看過できずに何かしら保護者めいた視線を向けてしまう。当の子からすればウザイだけかもしれないが。そのような「啓蒙効果」は確実にある作品だった。