三鷹食堂日記帖

飯食い酒飲み自転車をこぐおやぢの日常。MT車大好き。

要するに「ハム、ソーセージ盛り合わせ」

 嫁さんの快気祝いに行ったレストランで前菜に「シャルキュトリ盛り合わせ」を食う。旨し。シャルキュトリcharcuterieというのは、フランス語で「主に豚肉や豚の内臓からつくったソーセージ、ハム、テリーヌ、リエット、パテなどの食材」のこと。
(参考:「新フランス料理用語辞典」白水社

 スペイン語のチャルクテリアcharcutería「ハムやソーセージなど加工肉を扱う肉屋」の語源であると推定。スペイン語には他にチャルクテーロcharcutero「加工肉店主」という言葉はあるが、食品そのものを指す言葉はないから、元はフランス語であろう、と。

 ちなみに愛用している「デイリーコンサイス西和・和西辞典」じゃチャルクテリアが「豚肉食料品店」と訳してある。これじゃカルネリアcarnería「肉屋」と区別がつかないよ。せめてハモンjamón「ハム」やサルチチャsalchicha「ソーセージ」のような、と追記してくれなきゃ。

 また、南米のスペイン語であるが、チャルケアールcharquearという動詞があり「干し肉をつくる」という意味。で、チャルキcharquiが「干し肉」で、これは英語のジャーキーjerkyの語源。だったら、これもまたフランス語のシャルキュトリcharcuterieまで遡れるのかと思いきや、ウィキペディアによれば、インカ帝国ケチュア語から来ているのだそうだ。うーむ、奥が深いぞ。

 ついでにスペイン語のサルチチャsalchicha「ソーセージ」は、イタリア語のサルシッチャsalsicciaと同義。サルsalは「塩」で、これはもうローマ帝国ラテン語時代からの超重要単語。サラリーマンの「サラリー」がローマ兵のお給料だった「塩(を買うための金)」から来てるってお話は聞いたことあるっしょ? スペイン語にはサラールsalar「塩漬けにする、塩味をつける」という動詞もある。