三鷹食堂日記帖

飯食い酒飲み自転車をこぐおやぢの日常。MT車大好き。

孤立の自由

 現在日本に生きてて、何がありがたいかの一番が「他人と群れることなく、ひとりっきりでも生きていける」ということ。すなわち「孤立の自由」。もちろん、成人していて、心身の健康と多少の経済的基盤があってこそだが。それを思うとずいぶんと気持ちが楽になる。

 戦争や内乱で荒れている国じゃそうはいかない。貧乏人は団結して「敵」と戦わなきゃいけないし、金持ちも信頼できる使用人で周囲を固めていなきゃワンチャンで殺され、財産を奪われてしまう。「引きこもり」など想定外なのは当然のこと。

 かつて曽野綾子は、東京を手放しで賛美して「都会には魂の自由代がある」「都会は勇者にも卑怯者にも優しい」「都会は個人を温かく埋没させる」と書いた。当時の「田舎者」の反感を相当に買ったことは想像に難くないが、現在では、日本全体について言えること。

 自分はそこに「孤立の自由」を追記したい。「孤立の自由」が許される日本をこそ、大切にし、守り、後生へとしっかり伝えたい。

 

都会の幸福 (WAC BUNKO)

都会の幸福 (WAC BUNKO)