三鷹食堂日記帖

飯食い酒飲み自転車をこぐおやぢの日常。MT車大好き。

スペインの消費税

 ヨーロッパの消費税は高くて、どこも20%以上というのは知られていると思うが、スペインじゃ3段階で21%、10%、4%。これが、少なくとも、外国人旅行者である自分の目には、けっこう合理的に感じられた。

 例えばスーパーで、パン、チーズ、トマト、生ハム、それにビールとワインとウオトカと煙草を買ったとする。このうち21%の消費税がかかるのはウオトカと煙草のみ。生ハムとビールとワインが10%。パン、チーズ、トマトは4%だ。

 つまり、最低限生活していくのに必要なものについては消費税4%。これは今の日本の半分。ちょっと美味しいものと酒もほしいよね、となると消費税10%。10月以降の日本と同じ。で、贅沢品であるウオトカや煙草については消費税21%。この21%が実は標準税率で、洋服やアクセやCDなんかも該当する。

 だから、フツーに生活している分には、消費税は10%くらい。切り詰めて暮らそうと思えば4%くらい。メイチぜーたくしまくろうとして、初めて21%払うことになる、と。間接税には逆累進性がある、と批判されるが、このくらい傾斜をつければ、けっこう「平等」なんじゃないかと思う。

 自分としては、パンやチーズと生ハムの間に税率の「壁」があり、ビールやワインとウオトカの間にも「壁」があるのに感心した。消費者の実感に合致している。で、そういう「壁」を設定できるのは、スペイン人の知恵であり、日本人には無理なんじゃないか、と。平等を主張する「生ハム業界」や「ウオトカ業界」の抵抗を押さえられんでしょ?

 そう考えると、消費税以前の日本の「物品税」は、そこそこ良くできてた。自家用車とか毛皮とか宝石やゴルフ用品など、アカラサマに富裕層のゼータク品にかけていた。レストランや旅館での高額の消費にかかる「料飲税」もね。

 

※訂正(2021年9月22日)

3年ぶりに訪問したSevillaでの確認だが、ワインやビールも含めてアルコールはすべて21%だった。ウオトカ21%、ワイン・ビール10%というのは勘違いだった。