三鷹食堂日記帖

飯食い酒飲み自転車をこぐおやぢの日常。MT車大好き。

年寄り甘やかしは亡国の道

 年寄りの一人として言うのだが、年寄りを甘やかしちゃいけない。特に行政サービスにおける「年寄り無料」はダメ絶対。無料にすることにより、本来そのサービスを必要としない年寄りがやってくる。時間は売るほどあるから、待つのも行列するのも平気。結果、そのサービスを必要とする潜在的利用者が利用できなくなる。

 思い出すのは、もう20年近く前の、近所の病院の朝の風景。受付の1時間前から爺婆が何十人も集まってる。大半は知り合いらしく、ぐちゃぐちゃ世間話をしながら受付開始時間を待っている。高齢者医療費の本人負担がゼロだった時代だ。病院の受付が、老人井戸端会議状態。ここに、たまたまこどもが熱を出したかなんかして、出勤前に診察してもらおうと連れてきた「働くお母さん」は、年寄りの長蛇の列に、呆然としてしまうわけだ。

 その後、高齢者医療費の本人負担を1割にすることになった。共産党その他は猛反対した。「年寄りを殺す気か」的な強弁を展開したが、反対空しく1割負担へ。結果、朝の病院受付で待ってる爺婆の数は半分以下になった。

 来なくなった爺婆が医療不足で死んだとは、とてもとても思えない。統計で確認できると思うが、そこまでする必要も無かろう。1割負担によって高齢者の死亡率が増加したならば、共産党その他は鬼首状態で大騒ぎしただろうから。助かったのは「働くお母さん」だ。

 ちなみに、ここらへんの感覚を共産党が失ったところが、昨今の若い世代の「共産党保守政党」観にも繋がっていると思う。支持層が高齢化した分、若い人たちの「今ここ」のニーズが見えなくなっているわけだね。