三鷹食堂日記帖

飯食い酒飲み自転車をこぐおやぢの日常。MT車大好き。

町探訪「高島平」

 今回は団地の先、西高島平駅を最寄りとする住宅地を走ってみる。駅に近いエリアは民間の賃貸アパート(「コーポ」と呼ばないと怒られる(笑))多数。単に貧乏くさいエリアなのだが、住宅地を奥に入ると、相当に広い敷地を持つ戸建てが並んでいる。でも、そこはかとなく「貧困臭」が漂っている。敷地も家も大きいが、「お屋敷感」がまったく感じられないのだ。

 理由を考えてみた。まず、建物が全体に古い。それも西片や、板橋区だったら常盤台みたいな、住宅地としての歴史や歳月を感じさせる古さじゃなく、単に最初に建てた家がそのまんま古くなってる感じ。で、その建物や庭などに「贅を凝らした」感じがゼロ。建築当時の最安材料で最安に建てました、ちう感じ。大きいだけの安普請。

 また、「店」がほとんど見当たらない。このくらいの住宅地なら、酒屋や八百屋やクリーニングや美容院など「徒歩圏内」で商売する店があるのがフツーなのだが。暮らすにはかなり不便な町だと思う。

 も一つ、住民がやってる趣味的な店がない。お屋敷町だったら、暇こいた専業主婦が遊び半分で始めたようなカフェや雑貨屋や手作り菓子屋、あるいは生け花教室、ピアノ教室の類がある。地方都市の住宅地でもそう。でも、ここには無い。

 想像するに、住民の多くが「ギリギリ」なのだろう。宅地が分譲されたのが、高島平団地が建設された頃だとすれば、70年代。それから40年だ。30~40代で住み始めたとして、現在70~80代。年金生活してて、ローンの返済で貯蓄はほとんどない、という感じか。家を建て直す余裕などない。まして「趣味の店」など、とてもとても、と。

 やがて代替わりとなれば、こども世代は相続税を払うために地所を売ることになるだろう。そんで跡地に3階建ての建売住宅が並ぶようになれば、若い人も増えるし、町に活気が戻ってくる…かもしれない。