三鷹食堂日記帖

飯食い酒飲み自転車をこぐおやぢの日常。MT車大好き。

町探訪「大塚」

 この2年ほど、自分内評価が急上昇の町。山手線の駅で池袋と巣鴨の間なのだが、池袋より格段にこじんまりとしてて静か。巣鴨は「おばあちゃんの原宿」で高齢者率が高いが、大塚は客層が若い。

 都電荒川線…今は「さくらトラム」と言うんだっけ…がJRと交差していて、JR駅前にクルマが入れない歩行者自転車エリアが確保されているのがいい。

 まずは天祖神社に参拝。神社の周辺が飲食店街になっていて、昼も夜も飲み食いには不自由しない。自分が愛する「昭和喫茶」も数軒ある。池袋や巣鴨は他所からやってくる人間が大半だが、大塚は地元客が大半。その分、商売が保守的で堅実だ。

 自分は都電線路に面した「大塚ホープ軒」を偏愛していて、大塚での飲食の半分以上がカウントされると思う。それじゃあかん、と反省し、他の店にも入るように心がけているが、現在まで「ハズレ」は1軒もない。

 書店が複数軒あるのもポイント高いところ。24時間営業の山下書店。地元密着の大松堂。駅ビルの中の旭屋。ブックオフもある。

 この町で見逃せないのが、千川通りと並行して住宅地内を蛇行している「大塚三業通り」。その名の通り、都内有数の「三業地」すなわち「花街」だった時代を偲ばせるあれこれが散見される。鰻屋だとか割烹だとか。道が蛇行してるのは、暗渠だからで、今は無き谷端川にそって町が形成されていたのだ。

 三業通りの最後は千川通りに合流。ずっと先が「共同印刷」で、プロレタリア文学の名作と言われる「太陽のない街」の舞台だ。これまた暗渠化した「千川」流域の低湿地で貧民窟だったというが、その面影はまったくない。いくら高台の間の川筋だったとしても「太陽のない街」とは、なんとも地元に失礼なタイトルではないか。…と、これは大塚とは無関係。

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