三鷹食堂日記帖

飯食い酒飲み自転車をこぐおやぢの日常。MT車大好き。

不都合な真実

 でまあ、日本じゃとてもできないことを、アメリカじゃどんどんやっているのだな。日本は成長を止めた国。そして衰退していく国だ。一番どうしようもないのが少子高齢社会。高齢についちゃ「70歳まで働け」「80歳まで働け」「死ぬまで働け」で何とかなるかもしれんが、少子は無理。人口がガンガン減少していく。一番穏当な解決策が「移民」なのだが、すんなりとは行きそうにない。も一つ「一夫多妻制」もあるのだが、これは下から3番目くらいの愚策だろう。

 80年代に嫁不足の農家がフィリピンその他から嫁を連れてくる、てなことをやってて、批判8割で話題になったりしたのだが、最近はもう「嫁など要らん」になってしまったのだろう。「自分が死ぬまで食うに困らなければそれでいい。日本農業の将来は無くていい」と。で、これは田舎の商店街でもそうだし、都会の貧乏人もそう。8050世代とか、四半世紀後の「死滅」が確定した連中。

 つうかさ、かつての伝統社会で、貧乏人がこどもを作ったのは「老後に野垂れ死にする恐怖」からだっただろう。天下国家の将来を思ってのことじゃない。純粋に個人的な動機。社会保障制度が充実して、その「恐怖」が消滅したら、逆に「こどもを産み育てることにより、自分自身の可処分所得が減る」→「損をする」という、これまた純粋に個人的な動機が浮上する。自分自身はこどもを作らずに、収入に対する消費を最大化して、可能な限り「リッチな人生」を送る。晩年は社会保障に頼って生き延びる。その社会保障を支える「こども」は、誰か別の人が産んで育てればいい。これが「最適化された生存戦略」になる。

 で、それを指摘すると「安心してこどもを産める社会ではない」「格差社会が悪い」「産みたくても産めない人間を追い詰める差別と排除の理論だ」等々、怒涛の反論が押し寄せてくるのだろうが、解決のために有効な代策など出てきやしない。「格差社会」が原因だちうのなら、日本以上の格差社会であるアメリカで、人口が増えているのはなぜ?ちうことになる。アジアや中南米やアフリカの「途上国」は言うに及ばずだ。