三鷹食堂日記帖

飯食い酒飲み自転車をこぐおやぢの日常。MT車大好き。

フグ鍋旨し

業務多忙の師走の土曜日。急に寒くなったし、天気悪いし、鍋物がいいかな、と。唐突にフグが食いたくてたまらなくなった。雨の中、車を出して、池袋東武デパートに買い出しに行く。例の地下食料品売り場で、トラフグを捌いたパックが4千500円ほど。迷わずゲット。
いや、旨かった。久々に「堪能した」との実感。そういや、去年、というか昨シーズンは一度も食えなかったんだよな。外で食う機会も無かったし、売ってるのもえらく高くて買う気がしなかった。今シーズンは今日が初めて。けして安くはないが、リピートしそうな予感。ちうか悪寒(笑)
以下は、三鷹式のフグ鍋作法。15年ほど前に「鍋奉行」を自任する同僚に教えてもらったやり方を、適当に略式にしたもの。
まずは材料だが、トラフグ限定。トラフグ以上に旨いフグもあると、釣りやってる人などから聞くが、一般に鍋用として売られてる、トラフグ以外の「フグ」を食うなら、別の魚を食ったほうがいい。アンコウとかドンコとか、旨い魚がいくらでもある。そのトラフグを、骨の多い部分(アラ)と上身とに分けておく。
土鍋に水を張り、昆布を入れて火にかける。「アラ」を投入。沸騰してきてアクが浮いたら掬う。この「アラ」は、最後まで鍋から出さず、ダシ材料としての使命を全うしていただく。箸を出そうとする不届き者には、鍋奉行より叱責が飛ぶ(笑)
シラタキ、豆腐、キノコ(エノキ、シメジなど)、野菜(白菜、ネギなど)、うどんと順に投入し、フグ出汁を滲みこませて食す。
上身は十分にタイミングをみて鍋に投入し、ギリギリ火が通ったところで鍋から上げる。これを最初に食わせて、「フグそれ自体の旨さ」を強烈に印象づけるという手もある。それまでの人生でダメ「フグ」しか食ったことが無く、「フグには味が無い」と思い込んでいた連中は「エウレカ!」と叫ぶことだろう(笑)
味付けはポン酢に、薬味が青ネギみじん切りともみじおろしもみじおろしが出来なかったら、一味トウガラシでも可。
最後に残った具をすべて上げ、スープで雑炊を作る。これはまあ、どう作っても絶対旨いのだが、鍋では味付けせずに各自勝手にポン酢で食わせるよりも、塩で基本的な味を調えてから供し、「物足りない者はポン酢を足せ」と布告するのが、奉行の権威を再確認させるのに効果的か。