板橋の四川系町中華の名店「陳嗎家」で看板メニューの陳麻飯720円を食す。これが、お金と幸福の関係を象徴している。
昼食に720円という金を出せず、1食74円の袋ラーメン(例えば「アイリスオーヤマ 豪麺醤油味」30食2224円。amazon調べ)で10日間昼飯を賄えねばならないとしたら不幸。これは分かりやすい。
じゃあ、裕福な友人に誘われて、とあるフレンチ・レストラン(例えば「銀座レカン」)で、8000円のランチを食うはめになったら? それも友人の奢りで。これも自分には不幸。そもそもそんなもん食いたくないから。
で、付き合いでしょうがなく食ったとしたら、以下の2ケースが想定できる。
ケースA。美味しくない。何でまた、こんなレベルの料理にこんな高い金とるんだ?と腹が立つ。
ケースB。旨い。何でまた、昼間っから大枚はたいて旨いもん食って贅沢してる連中がいるんだ?と腹が立つ。
どちらにしても腹が立つので、食事が楽しくない。すなわち不幸。
自分が食いたいものを、自腹切って食えるのが、何にも増しての幸福。「不正」を感じると不幸になる。暴利(に決まっとる!)を貪るレストランの不正。悪銭(に決まっとる!)稼いで浮き世離れした贅沢をする富裕層の不正。要は「正しい」と感じれば幸福、「間違ってる」と感じると不幸になるわけだ。