三鷹食堂日記帖

飯食い酒飲み自転車をこぐおやぢの日常。MT車大好き。

投資の基本

 最近の日本株乱高下で、初心者の相当数が殺されたと推定する。その「死」による利益は一時的に売り豚がゲットしたが、長期的には「長期投資家」へもたらされる。それが資本主義の仕組み。つまりだ。トレーダーが短期中期的に稼いでも、それは同じ期間にディールしてたトレーダー(トーシロ含む)の損でしかない。一つ間違えば逆転。だって、永遠に勝ち続けるのは不可能だろうから。で、その戦いのプロセスで相場は拡大成長する。これはもう確実に。その「果実」を確実にゲットするのは、長期投資家。

 ここでスクルー爺の基本中の基本をおさらいしとくか。

 つまりだな。金には2種類あって、必要な金と不要な金。長期投資家は後者の「不要な金」を運用してこそ、確実に利益をあげられる。「必要な金」を運用していて、下落局面で「必要」になれば、損切りして精算せねばならない。しょうがないよな、「必要」なんだから。対して、「不要な金」は損出しも利確(税金20%強!)も不要だから。限りなく「永遠」に近く運用できて、そこでの「勝利」は確実。で、「不要な金」が元本丸ごと雲散霧消したとしても、実人生には耳糞ほどの傷もつかない。そもそも不要なんだから。

 で、トーシロがプロに勝つためには、これ以外の方法は無い。

 一番愚かなのは、「ブーム」に乗せられてトレーディングを始めること。日経平均が一時的に3万円を越えた2月3月あたりに「乗り遅れるな」と参入したにわかトレーダーが、ひどい目に逢ってるだろうと推察する。「塩漬け」覚悟で含み損を抱え続けていれば、まだマシな方。「損切りが大事」と教えられてたら、まず確実に死んでる。仮に8%の下落で損切りする、と決めたなら、3万円→2万7600円だ。日経平均ですら5月にそこまで下げてるわけで、個別株のほとんどが、損切りラインを割り込んでいるはず。それも複数回。で、3月以来の中期トレンドはゆるやかな下落だから、取り返すのは難しかろう。

 これはしかし、自省を込めて書いていることでもある。手堅く年利回り3%程度を目指したインデックス投信と、リスクをとって年10%くらいのキャピタルゲインを目指した銘柄株投資と、蓋を開けてみたら結果は真逆で、放ったらかしの投信の利回りが、銘柄株の数倍になっている。「何もせんほうがマシ」だったわけだ。

 橘玲が言ってた「何も考えずにS&Pのインデックス買っとけ」こそが、大正解だった、と思い知らされたわけさね。