三鷹食堂日記帖

飯食い酒飲み自転車をこぐおやぢの日常。MT車大好き。

「芸人の戯れ言叩く小市民」

 芸人が言ってるのは「飲食業のバイトがなくなった学生が、土方やって短期間でお金稼ぐ」というのと本質的に同じこと。それを「風俗好き(自分もあんたらも)にとってはおもしろい」とくすぐった上で、「今はお店に行くのは自粛しましょう」とまとめてるわけでしょう。啓蒙効果も十分あるし、風俗業界の営業妨害にもなっていない。「後で行った方が楽しい」と勧めてるんだから。

 芸人が下卑た冗談で客を笑わせてる、ホント下品だね、で済むことを、目くじら立てる小市民さんたち。その小ささにこそ潜んでいる、女性蔑視と職業差別。

 ちょっとかみ砕いて説明すると、二つの概念があるわけだ。

 一つは「女性には性的価値がある」という概念。「お金には価値がある」というのと同じこと。で、お金ならすべて同価値というわけじゃなく、1万円と1円の間には価値としての違いがあるように、女性ならすべて同価値というわけじゃなく、「若い美女」と「醜悪な老婆」の間には性的価値の違いがある。そういう概念。

 もう一つは「職業には貴賎がある」という概念。同じ「接待業」であっても、スッチーは「貴」で、風俗嬢は「賤」というように。

 芸人はこの二つの概念を前提として「今まで「貴」な職業についていた、「若い美女」が、一時的に「賤」な職業につくだろう」として、それを「おもしろいこと」と評する。

 それを叩く小市民も、この二つの概念を共有している。でなければ、芸人が何を言っているのか分からないだろう。

 二つの概念の、前者は「女性蔑視」、後者は「職業差別」と否定的に表現される。ともに小市民の小さな心の中にしっかりと存在している。