三鷹食堂日記帖

飯食い酒飲み自転車をこぐおやぢの日常。MT車大好き。

「茶の味」続き

DVDを買ってしまった。この映画には妙な中毒性があって、繰り返し、毎晩少しずつ見ている。今4周目。繰り返し観ると最初には気づかなかった細かい部分に気がつく。
「野生少女出身のお笑い芸人」(なんちゅうキャラ設定じゃ)が野村佑香に似ていると思ったら、本人だったり、とか(笑)

「父」役の三浦友和は酒を飲んでるシーンが多い。食事中にちゃぶ台の下から酒瓶を出して手酌したり、仕事帰りのローカル線の中でワンカップを飲んでたり。飲んでも酔う様子がなく、習慣的にアルコールを口にしているのが、なんか依存症くさい。「母」役の手塚理美がアニメの原画描きに熱中しているのに内心不満であり、そのストレスを表現しよういう演出ではないか、と想像がつく。
手塚の弟の「叔父」役の浅野忠信が、こども時代のオカルト体験を話すシーンがあるのだが、その舞台は家のすぐそば。三浦&手塚夫婦はご近所婚であったと分かる。で、三浦の父親の我修院達也が往年のカリスマアニメーターで、手塚はその愛弟子らしい。幼馴染の三浦の父親がアニメーターだったので、それに影響されて手塚もアニメーターを目指すようになり、「師」の衣鉢を継ぐために息子の三浦と結婚したのではないか、と想像される。
また、浅野は売れっ子ミキサー、三浦の実弟の「叔父その2」の轟木一騎は売れっ子少女?まんが家と、クリエイター揃いの一家の中で、三浦ひとりが一般人(催眠療法士というのも変わった職業だと思うが)というのも、内心複雑なものがあるのかもしれない、とも。
複数のキャラクターのスケッチを積み重ねて作品を見せていく手法は、嫁さんが好きでよく観ているフランス映画に近いのではないか、と思い当たった。「百貨店百科」とか「パリのレストラン」とか。この手の複雑な映画を見慣れると、分かり易さの極致を目指したハリウッド映画の、少年まんが並みの単線ストーリーが物足りなくなる。