三鷹食堂日記帖

飯食い酒飲み自転車をこぐおやぢの日常。MT車大好き。

橘玲を濫読する

 紙本で「マネーロンダリング」を読み、電子で「黄金の羽根の拾い方」を読み、同じく電子で「タックスヘイブン」を読みつつ、今朝は「永遠の旅行者」上下巻をキンストで買ってしまったし、さらに「知的幸福の技術」まで。橘玲に取り憑かれているとしか思えない。

 その理由は「知的」の立ち読みで分かった。introducciónの「運転免許試験場のポスター」は、橘が24歳で妻子を抱え、年収120万で木賃アパート暮らしをしてた時代の話。そして本編アタマは、40歳で自殺した友人の話だ。「黄金の羽根」その他で豊かで自由な人生を送るためのテクニックあれこれを読者に伝えつつ、橘自身の根底にあるのは、赤貧時代の不安で、首をくくった友人への追悼。

 そんな人間が「豊かさ」や「成功」を本気で信じてるわけがない。彼が思うのは、今日ある一人の成功者の陰の99人の敗残者であり、その成功者が無残に没落する明日なのだ。それこそが、自分の琴線に触れるところで、魂に刺さるサムシンなのだ。

 

知的幸福の技術 自由な人生のための40の物語

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