ホリエモン的な「若者煽り本」に仕掛けられた罠。それは、天才と凡人にあえて同じメッセージをぶつけること。「今お前がいる場所は、おまえにふさわしい場所じゃない」と。
親や世間や社会に束縛された、若き「天才」にとっては、まさに解放の呪文で、今ここの「地上」を離れて、天賦の才能を発揮できる「天国」へ昇る契機となる。
でも「凡人」にとっては、せっかく築き上げた努力の結果である「地上」を放り出し、あるかどうか分からない「約束の地」を求めて放浪させられるハメになる。それもまた「解放」であるのだが、落ち着く先は「地獄」とまではいかないが、「どん底」である可能性も少なくはない。その時に「キュゥべえにだまされた」と嘆くくらいなら「地上」に踏みとどまった方がいい。
そもそも落ちこぼれてノーフューチャーな連中にとっては「ダメ元」だろうから、どうでもいい。
ホリエモン(というか、断言→カタルシス系の自己啓発本の著者一般)が、なぜそういうやり方をするか? 万人に一人の天才にのみ伝えても、本は1冊しか売れないが、凡人にも伝えることにより1万冊売れる。それが著者と版元の収益となるから。そゆこと。そこには一切の違法性はありません。