三鷹食堂日記帖

飯食い酒飲み自転車をこぐおやぢの日常。MT車大好き。

本物を見る目

「幼い頃から本物を見て育てば目が養われる」てなことを言う。アートとか骨董とか。貴族の家に生まれなきゃ貴族趣味は身につかない、てな意味合いでも。そうだろな。何だってそうだ。幼い頃から「本物の手塚まんが」を見て育った自分ら世代は、サイン色紙一枚見るだけでも、それが手塚治虫の「真筆」か手塚プロなる「工房製」かは一目瞭然に判断できる。石ノ森でも永井豪でも同じこと。

 それが何の役に立つのかと訊かれても、困ってしまう。同じように、貴族趣味が身についた貴族出身のガキも、その「目」なんざ、貴族やる以外の何の役にも立つまい。また「本物」もいろいろあるわけでさ。「本物の芸術」や「本物の料理」だったら、趣味的生活に有用だろうが、「本物の犯罪」や「本物の戦争」だったら、「目」すなわちPTSDの証拠と言われるかもしれん。