三鷹食堂日記帖

飯食い酒飲み自転車をこぐおやぢの日常。MT車大好き。

もしもヒトの先祖が肉食獣だったなら…

ある本を読んで考えたこと。
もしも人類のルーツが、オオカミやトラみたいな肉食獣だったなら、そこらへんで生きている動物はすべて「食べ物」に見えるだろうし、腹が減ったら襲いかかって殺して食うのに何の抵抗も感じないだろう。「あらしのよるに」なんて童話は成立しないだろうよ。
実際は、ヒトの先祖はお猿さんで、果物を主食にしていたらしい。森林の中で赤く成熟した果実を識別するために、鳥類同様に視覚、とりわけ色覚が発達した。果実は「食べ物」であり、もぎとって食うことに何の抵抗も無い。だが「肉」は、「肉」となって、あるいは調理されて初めて「食べ物」として認識される。生きている動物を「肉」にするために必要な作業に対しては、抵抗を感じる。具体的には、殺して血を抜いて皮を剥いで解体する、てな作業だ。
随分と前に何かで読んだのだが「男子厨房に入らず」ということわざ?は、「料理なんて女にまかせとけ。男は黙ってサッポロビールで出来上がったもの文句言わずに食え」てな意味じゃなく、「動物が殺される現場を見ると料理を美味しく食えないから、そんな場所に近づかないほうがいいよ」てな意味だったとか。それってズルいじゃん、と思った。
三鷹自身、ブツが魚だったら簡単に出来る。生きてるのを殺すところ(というと生々しいので「シメる」てな言い方をする)からやったのはアジぐらいだが、1キロ以上のカツオ、3キロのメジマグロを捌いたこともある。ニワトリやウサギぐらいは出来て当然だと思うのだが、未経験だし、ちと自信が無い。ヒツジやブタとなると難しいし、ウシに至っては闘牛士並みの覚悟を喚起せねばなるまい。正直、無理。
そのくせ、平気で牛肉を食っている。「不健康な和牛の霜降り肉よか、オージービーフの赤身がいい」なんて評論をしている。その「不健康な和牛」程度なら朝飯前で捌けるよ、とでも言うのならいざ知らず(笑) これはしかし、意外な難問でもある。