三鷹食堂日記帖

飯食い酒飲み自転車をこぐおやぢの日常。MT車大好き。

筒井康隆「銀齢の果て」

少子高齢化をイッキに解決する政策として、70歳以上の老人を対象に、ご町内単位で、最後の一人になるまで殺し合いをさせる、というお話。「バトルロワイヤル」のパロディーですな。元大学教授、元自衛官、元女優、元小人プロレスラー、元捕鯨船乗組員などが、それぞれの特技を活かしてライバル達を倒していく。
筒井康隆からは、中学生時代に多大な悪影響を受けた。時が流れて自分はおっさんになった。筒井は難解系純文学もどきに走ったり、断筆宣言したりした後、再び悪趣味な小説書きに戻ったらしい。「らしい」というのは、自分が不勉強でろくに読んでいないからなのだが。
にしても「バトロワ」パロディーというのは「いまさら」感満点で、トホホな思いを禁じえない。本家「バトロワ」こそを書くべきだった。いや、よりでかいスケールで書いていたのではないか。「霊長類、南へ」とかさ。老いたり筒井。
某大手書店を覗いたら「シニア書コーナー」に面陳されていた。曽野綾子とか五木寛之とかと並んで。そっちのほうが、小説の内容よりも数段悪趣味でシュールかもしれない。

銀齢の果て

銀齢の果て