三鷹食堂日記帖

飯食い酒飲み自転車をこぐおやぢの日常。MT車大好き。

「珍品堂主人」追記

後、ググってみたら、原作が刊行された翌年の1960年に映画化されている。キャストは珍品堂:森繁久弥、蘭々女史:淡島千影。gooシネマのあらすじを読んだ限りじゃ、蘭々女をレズビアンとする原作とは違い、スポンサー九谷の妾という設定らしい。料亭を追放された珍品堂が、九谷に偽白鳳仏を贈って意趣返しする、てなくだりもあり、ラストはその偽仏を取り返し「俺の目で本物にしてやる」とか。うーむ、生身の役者がやればそれなりにさまになるのだろうし、淡島がレズじゃ観客がひくだろうと思ったのかもしれないが、この改変は多分間違っている。蘭々女は男を憎みつつ利用するレズでないと面白くない。偽物を10年20年睨んでいれば本物になるという発想は、日本映画の根本的な安っぽさとどっかで繋がっていそうだ。