舞台は京都。2浪して京大に入学した主人公が、葵祭の夜に勧誘されて入ったサークルは「鬼(式神)」軍団を使って大学対抗の戦争ごっこをするというものだった、てなお話。
式神云々は、荒俣先生を元祖として、伝奇系ファンタジーやライトノベルで散々使い古されたネタなので新鮮味が無いが、京都4大学(京大、立命館、京産大、龍谷)の対抗戦としたところが秀逸。バックグラウンドの「京都の学生生活」が、近年実体験した人間ならではのリアルさで、実に魅力的に描かれているのがポイント高い。京都に居住したいと思ったことは正直無いが、学生時代の4年間過ごすには、すばらしい都市なのではないかと思っていた。
サークル内恋愛も重要なモチーフ。童貞臭が香り高い「痛い」片恋連鎖であり、「純情」という言葉を久々に思い出した。
- 作者: 万城目学
- 出版社/メーカー: 産業編集センター
- 発売日: 2006/04/01
- メディア: 単行本
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