三鷹食堂日記帖

飯食い酒飲み自転車をこぐおやぢの日常。MT車大好き。

テレ朝「スクランブル」の憂鬱

昼飯食いに入った回転寿司屋でテレ朝「スクランブル」を流していた。テロップを見て憂鬱になる。
「死に損 暴走自転車事故急増 遺族の苦悩」
自転車による事故が増えていること。警察は取り締まり強化に乗り出すこと。にもかかわらず、当の自転車乗り(ちうかママチャリユーザー)の多くは交通法規に無知で、走行マナーもわきまえていない、という内容。
「自転車走行禁止」と記されたでかい標識を無視して商店街を走るおっさんにマイクを突きつけ、「ふざけんじゃねえぞコラ」と逆ギレしたシーンを何度も繰り返し流す。
「自転車=危険」「自転車乗り=DQN」と視聴者に刷り込もうってわけだ。
そうだよなあ、自転車は危険だよなあ。今日から自転車なんか乗るのをやめて、タバコ買いに行くのにも車を利用しよう。DQN自転車がぶつかってもびくともしない、馬鹿でっかいSUVとかいいねえ。燃費リッター6キロぐらいの。石油資源には限りがあるんだから、使えるうちに使わなきゃ損。機械式駐車場には入らないから、堂々と歩道に乗り上げて路駐しよう。文句あるかコラァ!と、こんな連中が千人万人と増加すれば、テレ朝も報道した甲斐があろうってもんだ。
「死に損」「遺族」というのは、03年10月に因島で「ツールドしまなみ」参加中の30代男性の自転車が、犬の散歩させていた60代男性をはねて死亡させた事故のこと。未亡人に取材している。自動車なら自賠責や任意保健があるが、自転車には無いので「死に損」ということらしい。「どうせなら自動車にはねられたほうがお得でしたよねえ」とでも言いたいのだろうか。何ともテレビらしい無礼さである。
ママチャリの傍若無人さや歩道における対歩行者の危険性については、テレ朝に教えてもらうまでもない。自転車乗りこそが一番心を痛め、なんとかせにゃと日々考えている。(自分個人の考えは、車やバイク同様の免許制と反則金制度の導入だが) こんな愚劣な「報道」を垂れ流したところで、せいぜい自転車への反感を煽り立て、SUVの売り上げを伸ばす(笑)だけで、何一つ解決しない。何一つ、だ。