三鷹食堂日記帖

飯食い酒飲み自転車をこぐおやぢの日常。MT車大好き。

伊藤礼「こぐこぐ自転車」

自転車に乗っている人、興味のある人には、ぜひ読んでほしいエッセイ。昨年11月に自転車乗り始めて3か月目の三鷹には、素晴らしく面白かった。同好の士には太鼓判的イチオシお薦め。それ以外の人にもフツーにお薦めできる。本屋さんで見かけたら、最初の10ページ「サイクルメーターに関する真面目な意見」だけでも立ち読みしてみて欲しい。↓で話題にした「サイクルコンピュータ」のことだ。
著者は伊藤整の息子。この本で初めてお名前を知ったので、正直よく知らないのだが、定年までは大学の英文学の先生。翻訳も含めて、著作も何点もあるらしい。すいません、そのうちにどっかで捜して読みます。「狸ビール」というエッセイが面白そうだ。
68歳でスポーツ自転車に乗り始め、現在72歳。その数年の間に二度転倒して、鎖骨を折ったり、歯を2本と親指を折ったりしている。それでも自転車をやめない。年間走行距離は5千キロ弱。
二度目の転倒は、カスタムメイドのレーサーで青梅街道を走っていて、危険な追い抜きをしたタクシーを懲らしめるべく、歩道を使って先回りしようとして、敷石で滑って転んで顔面を舗道にぶつけた、という。還暦を10年過ぎた人間の行動とは思えない。あんたは黄忠か?
所有自転車は6台。4年足らずのうちに。スタバ齋藤並の物欲老人でもあるようだ。72歳の伊藤先生がここまでなさるならば、40代の三鷹なんざ、とことん「若造ぶり」を発揮してもバチは当たるまい。
ひねりの入ったユーモアがそこかしこに見られ、内田百間を彷彿させる。「阿房列車」ならぬ「阿房自転車」か。読むと自転車に乗りたくなる。新しい自転車が欲しくなる。そして三鷹は……??

こぐこぐ自転車

こぐこぐ自転車