三鷹食堂日記帖

飯食い酒飲み自転車をこぐおやぢの日常。MT車大好き。

エベレスト

山好きの仕事仲間に「エベレスト商業登山」の話を聞く。
世界中からエベレストにやってきて、大金払って「世界の頂上」を目指す金持ち連中。「ふもと」をトレッキングするだけならバックパッカーでもOKだが、ある地点よか上に登るには、1千万円近くかかるのだそうだ。
そんな金持ちを、ほとんどマンツーマンでガイドするプロの登山家。彼らのサポートが地場産業となっているシェルパ族。シェルパにならなかった連中は、英軍下働きのグルカ兵として海外出稼ぎに行っている、と。
でも、エベレストの頂上近くじゃ、金は無意味。金持ちは目の前に見えた頂上を目指したい。ガイドは気象その他の条件を勘案し、冷酷に可否を告げる。そこでの悲喜劇。山に「絶対」は無い。ガイドが可としてアタックした頂上からの下山で遭難する例もある。シェルパも巻き添えにして。
馬鹿と煙は高いとこに登りたがる。「馬鹿は死ね」というのは容易いが、もしも自分がその場所に立たされたら、死んでもいいから頂上へ登りたい、と思う可能性大。だからこそ、山は恐ろしい。
ジェット旅客機でエベレストの何倍も高い空を飛んでいる以上、今さら歩いて登るなどアホくさい、と肝に銘じておくべきだろう。