三鷹食堂日記帖

飯食い酒飲み自転車をこぐおやぢの日常。MT車大好き。

「紀雄の部屋」

紀雄の部屋

レンタルDVDで観る。
薬学部4年のプロレスおたく・紀雄(高岡蒼佑)の部屋に入り浸っている綾子(つぐみ)は、古いアニメに詳しいちょっと変な女。恋愛経験が乏しい紀雄は、綾子に対して引け目を感じ、なかなか素直に振舞えない。でも、綾子が突然姿を消した時、紀雄は自分にとって、彼女がどれだけ大切だったか痛感して…。てな話。
恋愛とは、純粋だったらそれだけ辛く切なく、傍目には無様でカッコ悪いものなのだという真実を容赦なく眼前に突きつけてくる。一言で言えば、スッゲー痛い映画。その痛さとともに、自分の学生時代を思い出してしまった。自分は天下晴れてのおやぢだから、懐かしさでかなり中和されるが、20代で観たならば、お好み焼きの削り節みたいにのたうちまわったかもしれない。
「森下先輩」(菅原永二)のおたくっぷりが秀逸。「発表会」みたいな服着た妹がピアノ弾いてるリビングで、おたく仲間と美少女ゲームに熱中するという、シュールとしか言いようの無いシーンがある。その妹(安藤希)と綾子の「対決」シーンも見物。
尺がわずか57分だと知らなかったこともあり、え、これで終わり? と一瞬思うが、エンドロールが流れて、ふうっとため息をついてしまった。痛い。だが、いい映画だった。

紀雄の部屋 [DVD]

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