「夕凪の街 桜の国」で一気に注目度が上がったこうの史代だが、自分としてはこちらをイチオシしたい。大衆食堂で働くヒロインが、迷子のインコを飼い始める四コマシリーズ。
こうのの絵には独特の魅力がある。手足が先までキチンと描けているというのが大きいかも。特に足。昔のアニメのような、土踏まずがデフォルメされた足で、指の一本一本もちゃんと描いてある。しっかり地面を踏んで歩いたり走ったり出来そうだ。
あと何だろう? 地味に目立たず、ごく普通に生きているヒロインの、それゆえの魅力。あからさまにセクシーでもコケティッシュでなくてもいい。どんなに地味でも女性ならば本質的に男性にとっての性的存在であるし、ふとした瞬間に魅惑的だったりする。それを発見しながら日々惚れ直していくような、そんな関係。一生を共にしたいのは、そういう女性だったりする。
ずっと品切れだったが「夕凪」のおかげで1巻が先日増刷され、2巻「完結編」も2月10日に出荷されるとのこと。読むなら今ですぜ。
ぴっぴら帳(ノート) (1) (ACTION COMICS)
- 作者: こうの史代
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2000/07
- メディア: コミック
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