けっこうおもしろい。ゲーテの「ファウスト」の隠れテーマは、悪魔の業としての「錬金術=紙幣の発行」だという。なるほどメフィストフェレスは資本主義者か。
シャイロック、遠山の金さん、ファウストときて、次は、マルクス、ベンヤミン、キルケゴール、金原ひとみ、綿矢りさ、ドラキュラとくる。古今東西縦横無尽。スッゲー博識な人と酒飲みながら話しているような楽しさがある。貨幣論っておもしろい。で、「海辺のカフカ」でふか。ナカタは都知事さんからお金をもらっているのであります、か。
ちと気になったのは、少年時代のナカタを襲ったのが米軍の化学兵器実験だった、というのは小説内では「確定」だったのか? 仲正はその前提で書いている。自分は、某国の秘密兵器なのか宇宙人なのか分からない「空飛ぶ円盤」的状況として読んだのだが。
- 作者: 仲正昌樹
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2004/10/06
- メディア: 新書
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