三鷹食堂日記帖

飯食い酒飲み自転車をこぐおやぢの日常。MT車大好き。

鱧寿司空振り

この季節で「鱧寿司」と言えば、少なくとも京都の人間には分かるだろう。でも「京料理」を看板にしている東京の店(本店が京都)じゃ分からなかったりする。実に情けない実話。
実話だからそのまんま書いておく。ちと改まった飯を食うことになり、主賓は「鱧寿司」をリクエストした。それだけじゃつまらんだろう、と、鱧寿司を含んだ会席ということで、店を探して電話予約した。「鱧寿司」と言ったところで、寿司コーナーに誘導された。三鷹自身良く分からなかったのだが、けっこう広い店で、懐石やら炉辺焼きやら、いろんなコーナーがあるらしい。で、寿司コーナーの担当者に「鱧寿司を含んだコース」とオーダーした。
当日。広い店内の、寿司屋コーナーのテーブル席に案内された。料理が順繰りに出てくる。懐石風の構成だ。で、最後に「江戸前の握り寿司一人前」てなモンが出てきて、そのうちのたった一貫が「湯引きした鱧を握り寿司にして梅ペーストを載せたモノ」だった。
京都では、東京から来た人間に対し「それはそれは田舎からようこそおいでやした」と遇するそうだ。東京人を自負する人間は「田舎じゃない、東京だ」と抗議し、「そらまあ、失礼いたしやした」と冷笑される、と。
今回の件なら、「東京の『京料理』看板にしとる店で鱧寿司オーダーしたら、寿司ちうことで江戸前寿司のほうに回され、江戸前に握った鱧の寿司を出してきよった。東京モンは、おもろいなあ」てなところだろ。馬鹿にされて当然。