三鷹食堂日記帖

飯食い酒飲み自転車をこぐおやぢの日常。MT車大好き。

「センセイの鞄」

川上弘美は大好きな作家の一人。2年ほど前に知って全作イッキ読みした。彼女のエッセイ読みたさに「東京人」も日曜の日経新聞も読んでいる。「センセイの鞄」は、37歳の独身OLと、30歳以上年上の、彼女の高校時代の国語教師とのラブストーリーだ。世間一般の恋物語からすれば異色だが、妖怪や人形相手の恋愛や結婚をごくフツーに書く川上にとっては、例外的にごくフツーの恋愛譚。
TVドラマ化作品を金曜にようやっと観た。小泉今日子柄本明という配役でぜひ観たいと思っていたのだが、初回はWOWOWだったのだ。今回地上波で再放送され、願望が叶った。期待以上の出来だった。柄本は以前から上手い役者だと思っていた。小泉は若い頃は「ちょっと変わったアイドル」くらいの印象しかなかったのだが、「快盗ルビイ」で面白い女優だと思った。今回はそれ以上だ。老けっぷりが堂々としてて良い。彼女のようにファニーな童顔の女性が老けると無残な様相を呈する場合が多く、それを避けるために必要以上に年齢相応のカッコをするものだが、彼女はしわのより始めた童顔を童顔のまま隠さない。髪も少女のようなストレートのまんまだ。かっこいいぞ。
小説以上に飲み食いのシーンが多い。1時間半ちょいのドラマで、1時間以上酒を飲んでいるように思う。食い物も、マグロ納豆だの湯豆腐だの一つ一つ具体的でどれも旨そうだ。観ながら酒を飲んでたら、ついつい飲みすぎてしまった。断酒期間中に観たら辛かっただろう。
ISBN:4582829619