三鷹食堂日記帖

飯食い酒飲み自転車をこぐおやぢの日常。MT車大好き。

ひとなぜ怒りを謳う

平岡昇+安岡章太郎「ひとなぜ怒りを謳う ナショナリズム講義」朝日出版社、を読了。
三鷹の学生時代にちと流行った「レクチャーブックス」というシリーズの1冊。学者と作家の組み合わせで、さまざまな学問ジャンルを概説するという趣向で、岸田秀伊丹十三精神分析講義とか、西江雅之吉行淳之介文化人類学講義とか、おもしろい本が多かった。この「ナショナリズム講義」は、学生時代にはちと手を出しかねていて、その後読みたくなった時にはすでに絶版、というよくあるパターン。
今回、神田神保町三省堂で「朝日出版社のお蔵出し」みたいな企画をやっていて、出ているのを見かけて即ゲットした。
で、読了したのだが、大いに期待はずれ。平岡昇は玄洋社初代社長の平岡浩太郎の甥で、黒龍会内田良平の従兄弟。で、仏文研究者で専門はルソー。東洋と西洋、右翼と左翼が渾然一体となったスゲー卓見が開陳されてるんじゃないかと勝手に思い込んでいたのだが、単なる戦後民主主義的進歩派的ナショナリズム否定。対論も世間話っぽい歴史談義に過ぎず、参考にならなかった。結局タイトルがかっこよかったというだけの本のようで(笑)