三鷹食堂日記帖

飯食い酒飲み自転車をこぐおやぢの日常。MT車大好き。

ソニーリーダーインプレ(Sony Reader PRS-G1)

(検索の便をはかるため今回から、さらに遡ってタイトルに型番を入れておく)
使い始めてまだ一週間足らずだが、かなり気に入っている。すでに5冊読んだ。リーダーストアで買った正規版?を2冊に自炊本を3冊。今読んでいるのは、紀伊國屋Kinoppyで買った講談社さんの「スティーブ・ジョブズ」と自炊本数冊。兼高かおるが随分前に出した旅行記やら、前田司郎やら。
いいよイイヨばっか書くのも何なので、今回は気に入らないところを捜して記しておく。
まず、筺体の材質。いかにも安っぽくピカピカした樹脂で、指紋などの汚れが目立つ。次にボタン。ページ送りはパネルタッチよりもボタンを押すことが多いのだが、これがまた小さく安っちい銀色のプラスチック製で、数ヶ月で銀も剥げてしまいそう。位置がまた微妙。1年半愛用した金ちゃん(Kindle2)の場合、でかいページ送りボタンが筺体の左右に一つずつついていて、実に使いやすいのと対照的。
読書家(すなわち本のヘビーユーザー)の意見が活かされているように思えるのが金ちゃんで、活字を読むのはマニュアル程度の技術屋さんが工業デザイナーに発注して「ボタンがでかいとカッコ悪いしね」「シルバーでおっしゃれーってか」てな調子でこしらえたのがソニーリーダーという印象。
次にフォント。明朝体が細くて頼りない。ちょっとかすれてるんじゃないか、という印象さえ受ける。「活字の力強さ」が感じられない。で、傍点が白抜きの水滴みたいな形状で、妙にでかい。あからさまに変。
複数のフォントから選べるように出来ないのだろうか? せめて明朝とゴシックとか。プロポーショナルも欲しい。また、縦組みオンリーじゃなく、横組みも可能にしてほしい。今読んでる「ジョブス」のマッキントッシュ開発の章で、ジョブズがフォントの美しさにこだわって技術者が苦労させられた、てな下りがあったが、そういうこだわりと真逆なのが、リーダーのフォントであるように思える。
書いているうちに思い出したが、金ちゃん買った当初、スリープ状態にすると出現する画像に感心した。中世の写本や銅版画、ストウ夫人からアガサ・クリスティやら古今の文豪・小説家の肖像など。「本」にまつわる重厚な歴史と伝統をイメージさせる画像コレクションを表示することにより、単なる機械じゃない、歴史的伝統的文化財としての「本」のアウラをまとわせようと腐心し、幾分かは成功していたように思う。こういう細工もソニーリーダーには皆無。「アウラって何それ美味しいの?」「便利にサクサク読めりゃそれでいいじゃん」という印象。