三鷹食堂日記帖

飯食い酒飲み自転車をこぐおやぢの日常。MT車大好き。

「ただマイヨ・ジョーヌのためでなく」

自転車乗り始めた1年半前から気になっていたが、あえて手を出さなかった本。イッキ読みにて読了。
自転車レースの最高峰「ツール・ド・フランス」を7連覇したアメリカ人(ちうかテキサス野郎)ランス・アームストロングの自伝。内容はしかし、自転車部分は3割程度。残り7割は過酷な闘病記だ。
1971年生まれのランスは、21歳で世界自転車選手権最年少優勝を飾り、トップアスリートの道を歩む。だが96年、25歳にして睾丸ガン発病という突然の悲運に見舞われる。さらにガンは肺と脳に転移していた。緊急手術と抗ガン剤治療で、ランスは心身ともにボロボロになるが、不屈の根性でサバイバルする。それだけじゃなく、自転車レースの世界へ復帰を果たす。そして99年に「ツール」で個人優勝する。
大病を患った後、競技に復帰するだけでも大変なことだと思う。ランスの場合は、病気の前よりも数段高いステージに上がっている。病気こそが彼が大きく成長するためのジャンピングボードだった、とも言えよう。
「ツールで優勝するほど凄い奴だから、病気に打ち勝った」というのではなく、「病気との戦いに屈しなかった奴だから、ツールで優勝できた」というのが重要なポイント。
ランスのように自転車を走らせるなど夢のまた夢だが、ランスのように病気と戦うことなら、もしかしたら自分にも出来るかもしれない。そんな風に、読む者に勇気を与えてくれる本。

ただマイヨ・ジョーヌのためでなく

ただマイヨ・ジョーヌのためでなく