岩波文庫の3巻本(新訳)で読んだ。ベトナム旅行中に読了。いや、スッゲーおもしろかった。
18世紀半ばのメリケン捕鯨船のお話。当時の日本は幕末。帆船と手漕ぎボートと手投げ銛という、産業革命以前のテクノロジーで、巨大な鯨と戦う男達。逆襲を食らえば、まさに板子一枚下の地獄行き。とことん男らしい業界だ。基本ストーリーは、読む前から知ってた通り、巨大な白いマッコウ鯨に片足食われたエイハブ船長が、復讐戦を挑んで、船ごと返り討ちに逢う、というお話。それが分かっていても、十二分に楽しめる。
単なる小説じゃない。詩があり、演劇があり、鯨に関する山のようなウンチクあり、まさしく鯨のようにでっかい「文学」。
アメリカ人にとっては必読の「国民文学」だと思うのだが、これ読んで鯨食いたくならないとしたら不思議。尾の身のステーキの描写とか、メチャ旨そうなのに。
- 作者: ハーマン・メルヴィル,八木敏雄
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2004/08/19
- メディア: 文庫
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