三鷹食堂日記帖

飯食い酒飲み自転車をこぐおやぢの日常。MT車大好き。

シネマアートン下北沢

最近はビデオやDVDのおかげで古い映画を手軽に観ることができるようになったが、ビデオ化さえされていない映画はいくらでもある。「珍品堂主人」もその一本だ。一時ネットで探してみたが見つからないのであきらめていたのを、ふと思い出してググってみたら、たまたまこの週に上映されているではないか。上映館は「シネマアートン下北沢」。定員50席のミニシアターらしい。電話をしたら「予約はとってない、直接来てほしい」とのこと。この機会を逃さず観よう、と出かける。
数年ぶりの下北沢。雨の中「シネマアートン下北沢」を探す。スズナリ横丁の一角だった。ちうか、それ以前にスズナリの場所すらアヤフヤだったのだが。
新人の頃に担当した作家の仕事場が下北沢にあり、3年間ほど、ほとんど毎週通っていた。その時代に、本多劇場なりスズナリなり、一度くらいは行っておくべきだった。行かなかった理由は分かる。当時は学生時代の反動で「小劇場」をとことん馬鹿にしていたからだ。
上映20分前に入場。館内はそれなりの雰囲気を演出していて悪くなかった。客席とスクリーンは試写室のようなこしらえ。これも狙っているのだろう。立ち見覚悟で行ったのだが、観客は10人ほど。
18時40分ちょうどに上映開始。セピア色に褪色したフィルムに驚かされる。写真プリントじゃよく見るが、映画まるまる一本がセピア色というのは初めて。雨降りまくりで音とびまくり。古い映画を観ている、という味わいは十二分にある。タイトルバックの埴輪や車のテールランプは、セピア化したほうがホントの色に近いし(笑)