三鷹食堂日記帖

飯食い酒飲み自転車をこぐおやぢの日常。MT車大好き。

銀座オザミデヴァン

仔羊のロースト

旨かった。まるっきり気取ってない店の雰囲気も実に良い。お値段のほうもリーズナブル。また行きたい。
外観は「非・高級店感」満点。そこらへんの飲食店系ビルを居抜きで買って、最低限のカッコだけ整えた、ちう感じ。外との仕切りがビニールシートだよ。なのに味は本物。客あしらいも、さりげなく上質。従業員の「士気の高さ」をビンビン感じる。
4800円のコースをとったのだが、前菜を2種、メイン、デザートとチョイスする。「前菜を2種」すなわち冷製、温製、スープその他とり混ぜた中から、なんでも二つOKというところが、酒飲みの琴線に触れる。ナマモノ好きの自分は、鮮魚と馬肉のそれぞれカルパッチョにした。どちらも旨し。メインは仔羊のロースト。これが実に味もボリュームも満点。文字通り堪能させてくれる。ワインは店お勧めとしてリストアップされた中から、白がシャブリ、赤がポイヤックと飲んだが、どちらも値段以上の味だった。
フランスの安ホテルのレストランや街場のビストロって、まさにこんな感じなのだ。建物や店構えはしょぼいが、料理と酒で勝負!と。で、地元の常連客に対して「ふだん家で食ってる料理」より、数ランク上の「プロの料理」と、料理相当の上質のワインを提供する。それが食えると分かっているからこそ、常連客がつく。
フレンチ好きの食いしん坊かつ飲兵衛同士で行きたい店。「今夜初めて一発決めるか」てなカップルのデートには、正直言って向いてない。もっと「高級」っぽく演出した、高くて不味い店にお逝きなさい。銀座にはいくらでもあるぞ。