三鷹食堂日記帖

飯食い酒飲み自転車をこぐおやぢの日常。MT車大好き。

ラブやん

田丸浩史ラブやん講談社アフタヌーンKC
以前からアフタヌーンで読んでいたのだが、ここしばらく急に親近感が深まり、コミックスで通し読み。「いまどきのおたく」の実相を自然主義的(笑)に描写しつつ、なおかつエンターテイメントとして一定水準を維持しているのはえらい。
このトシになったから言えるのだが、うちらはまごうことなき初期おたくだったんだっちゃ。自分も含めて当時のガッコの仲間連中はごく少数の例外を除き、皆それぞれにカタギになっている。おたく体験を商売に活かし、後進のおたく相手にさんざ荒稼ぎさせてもらったサノバビッチも少なくない。
およそ20年ふた昔の時空を超えた現在、現役としておたく道を突っ走っている若き彼らには、カタギになりたいという欲すらないようだ。見上げたものである。
「おたく=貴族」というのが自分の持論だ。貴族が働くのは一朝事あった天下の危機のみ。それ以外は下らない俗事のために働いちゃダメダメ。ひたすら遊んでいなければいけない。そんな暮らしを保証するために、領地やら何やらがある。現在日本のおたくにとっては、日本国そのものが、生活に必要なアレコレを供給してくれる「領地」なのだろう。いや実に素晴らしい時代が実現したものだ。弥栄!
ISBN:4063142981