昔も今もこども…特に女子は怪談が大好きで「ちゃお」や「りぼん」のホラー増刊号は鉄板の売れ行きだ。そんな客筋を狙った1冊で、上田秋成、小泉八雲から漱石龍之介百間※まで、日本文学の怪談短編をコレクションしたもの。挿絵はややアニメ系でラノベ愛好者を狙い、Z会の監修もつけて中学高校受験も視野に入れているという、なかなかに隙の無い企画でもある(笑)
ただ一つ気になったのは、小川未明「赤いろうそくと人魚」、芥川龍之介「蜘蛛の糸」が収録されていたこと。「人魚」は「怖い話」というよりむしろ「可哀想な話」だし、「蜘蛛の糸」は「考えさせられる話」じゃないか?