サイタマのラッパーラップす閉塞の壁打ち破る言葉探しつつ
痛い。
コンビニの駐車場でヤンキーにからまれたり、ラッパー仲間からイジメられたりという痛さはむしろ「お約束」で、それよりもリアルに痛いのは、本場の黒人がラップで表現するような、言わば分かりやすい(=他者に伝えやすい)辛さ苦しみが無く、いやあってもキチンと自覚出来ず、そんなヌルい毎日に焦燥している自分にしっかり正対することさえ出来ずにいる痛さ。
みひろ演じる元AV女優はそういう痛さを分かってて、だからこそとげとげしい言葉を主人公に投げつける。痛みに共感するから、病院にも付き合うし、猫のようについてくる。
でも彼女の気持ちは主人公に伝わるわけもない。再び故郷を離れ、ただ一人でかいスーツケースを持ち上げ、駅への階段を登っていくしかない。
ラストのソバ屋のシーンこそが最痛。鳥肌が立った。なるほどこれがキモかい。
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