三鷹食堂日記帖

飯食い酒飲み自転車をこぐおやぢの日常。MT車大好き。

「トロイ」

トロイ

先日の「アレキサンダー」がらみでレンタルビデオで観た。観終わって呆然。なんじゃこりゃ?
ストーリーを紹介すれば、ギリシャとトロイが戦争する話です。戦争の原因は、トロイ王の次男坊パリスが、ギリシャのボス・アガメムノンの弟の嫁さんと姦通し、駆け落ちしたこと。野心満々のアガメムノンは、これを口実にトロイをゲットしようと、ギリシャ各地の領主たちに圧力をかけて兵隊を集め、トロイを攻めます。
領主の一人オデュッセウスは、嫌々参戦してます。全編の主人公であるアキレス(ブラピ)も領主なのですが、殿様というより、戦争のプロである傭兵部隊の隊長みたいなイメージ。そんなアキレスをアガメムノンは重宝して、最前線で活用してます。トロイ王の長男ヘクトルは、アキレス並みの勇者なのですが、良き夫であり父であり、馬鹿な弟のせいで戦争になったことを後悔しています。
トロイ戦争の緒戦、アキレス部隊が独断専行で上陸地点を確保したおかげで、ギリシャ軍勝利。だが、調子に乗って攻城戦を行ったギリシャ軍は、トロイ軍の反撃を食らい惨敗します。トロイ軍は夜明け近くにギリシャ軍を夜襲し、多大な損害を与えます。ブラピ・アキレスは、上司のアガメムノンと折り合いが悪い上、トロイ王の姪とねんごろになってしまったこともあり、ギリシャ軍を離脱して帰郷することにします。
さらに攻撃するトロイ軍に対し、ギリシャ軍の反撃のきっかけがアキレス部隊の突撃でした。部隊を先導するアキレスは、トロイ王長男ヘクトルに一騎打ちを挑みますが、敗死します。だがそればアキレスではなく、アキレスに憧れた従兄弟でした。
従兄弟を殺されたアキレスは怒りに燃え、戦線に復帰し、ヘクトルに一騎打ちを挑んで、斬殺します。知恵者オデュッセウスは「木馬」を考案し、難攻不落だったトロイはあえなく陥落します。
うーん、こうやって記していくと、プロット的な難点は特に見当たらない。要するに各キャラクターを、劇画的に分かりやすくし過ぎているのが、自分としての「なんじゃこりゃ?」感なんだったのだと思う。
そのキャラクタードラマの「結論」は何よ? 散々人を殺しまくってきた傭兵隊長は、部隊を帰郷させて単身戦場に残り、勝利の真っ只中で一人死ぬ? 不倫で大戦争を引き起こして、兄貴にケツを拭かせ、祖国を滅ぼしたヘタレ次男は、「ぼく、タイマンじゃへタレだったけど、飛び道具活用したら楽勝で勝てたよ! 褒めてよママン!」てか。アガメムノンに至っては、論じたく無い。ちうか、ここまで決めつけていいのか? 自分がアガメムノンだったら化けて出て、関係者全員呪い殺すぞ(w
キャラ的にはヘクトルが一番。アホな弟のケツ拭かされながら、祖国の命運を背負いこみながら、妻子を愛しながら、対アキレスの、勝ち目薄い決闘の場へと赴く。そして敗北する。ヘクトル主人公で描けば、これ以上感動的な映画は無かったかもしんないねえ。