三鷹食堂日記帖

飯食い酒飲み自転車をこぐおやぢの日常。MT車大好き。

黒澤明の「天国と地獄」

天国と地獄

レンタルビデオで初めて観た。なるほど傑作。舞台劇として構成された前半のドラマ濃度の高さ。三船敏郎をはじめ、俳優陣の演技も濃ゆ濃ゆでイイ! 身代金の受け渡しまでは、予想がついた、というか、ストーリーをすでに知っていたので、細かいところにツッコミを入れて楽しんでいた。後半は一転して「刑事ドラマ」に。刑事集団が犯人を追い詰めていくサスペンスたっぷりの演出がすばらしかった。横浜黄金町の暗黒街は「ホントにこんな町だったんかいな?」というほどの暗黒っぷり(笑) ドストエフスキーの小説を想起させるラストもいい。後世の刑事ものに多大な影響を与えた作品なのだろう。「太陽にほえろ」も「踊る大捜査線」も原型はここにある。
(と、ここまで書いて「七人の刑事」という傑作もあったことを思い出した。データを調べたら、黒澤作品の2年前の放送)