三鷹食堂日記帖

飯食い酒飲み自転車をこぐおやぢの日常。MT車大好き。

「負け犬の遠吠え」

酒井順子「負け犬の遠吠え」講談社 を読了。
「未婚、子無し、三十代以上の女性」を「負け犬」と刺激的に命名したところで成功した本。オタ夫ダメ夫その他の独身男性分類も毒々しくもまたおもしろく読めた。なるほど、仮に同じ三十代同士であっても「負け犬」女性と「オタ夫その他」男性の間に男女関係が成立するのは難しかろう。
だがしかし、男の目から見るに、「勝ち犬」はどれも同じような顔をしているが、「負け犬」は人それぞれである。魅力的な女性もけして少なくはない。
「こらダメだろ」というのもいる。いちばん始末におえないのが、自分個人の人格的欠陥に無自覚で、自分が属する(と勝手に思っている)集団(世代、階級、職業など)の一般的性質だと開き直っている女。いや別に女に限ったことではないが。
男の例を挙げとく方が無難だろう(笑) 「おじさんだから」と開き直るセクハラ常習男。単にそいつ個人が品性下劣なだけなのだが、世代全体に拡張し、自分の下劣さを希薄化しようとする。同じ中年として迷惑千万である。
同様のことが「負け犬」にも起きるだろうということは想像に難くない。「あたしゃどうせ負け犬だからさ〜」と開き直る、粗大ゴミに香水ふりかけてブランド服着せたような女が東京を中心に大量発生するだろう。
同じ「負け犬」でも、群れからは距離を置いた「一匹狼」として生きてほしいものだ。そうすれば、男性を観るにおいても、集団として分類し、ひとからげに切り捨てるのではなく、ひとりひとりの顔がよく見えてくる。掘り出しもんの「オタ夫」もめっかるかもよ。某アンノさんがめっけた某アンノさんみたいな。