三鷹食堂日記帖

飯食い酒飲み自転車をこぐおやぢの日常。MT車大好き。

「ブラックホーク・ダウン」

上下巻をイッキ読みで読了。映画もDVDレンタルしてきて観てるところ。
とことん悲惨な戦闘なのだが、ちょっと待てよ、と。敵地での戦闘中に、負傷者はともかく、戦死者までキッチリ回収しようという「戦争」って、実は前代未聞なのではないか?
最初のヘリコが撃墜された時点で、残りの全部隊を撤収してしまえば、戦死者は半分以下で済み、作戦そのものは成功だったのでは? それ以前に、戦死者を出したくないのであれば、生身の兵隊を地上に下ろしたりせず、空襲で片つければ良かったのでは?
それが出来なかったというのは、もちろん重々分かってる。そもそも「戦争」ではないわけで、敵もちゃんとした軍隊ではなくゲリラで、非武装の女子供老人も混じっているわけだから、デイジーカッター一発で始末するわけにはいかない。ゲリラゆえにジュネーブ条約も関係無いから、降伏とか、捕虜の人道的扱いとかもまったく期待できない。
ゆえに「一人も残さず連れて帰れ」ということなのだが、現場にとっては大変なこと。その大変さをとことん描ききったノンフィクションとして読みました。
ISBN:4150502641