三鷹食堂日記帖

飯食い酒飲み自転車をこぐおやぢの日常。MT車大好き。

オネアミス続き

ついでだから他にもあれこれ書いておこう。
まず坂本龍一の音楽。今聞いてもそうだが、ユニークなメロディーラインがいつまでも耳に残った。主人公役の森本レオの、これまた独特の「眠い」声が合わさって「眠いアニメ」という印象が強い。冒頭、事故で死んだ仲間の葬式のシーンで「宇宙軍軍歌斉唱!」と始まるのが、まさしく坂本龍一丸出しの、勇猛さも悲壮感も皆無の変な歌。「どこが軍歌じゃ?」と、あきれた。今あらためて観ると、作品世界に導き入れるための、けっこう上手い演出に見える。
もっとも「軍人臭さ」は全体に上手く描けていた。要するに男子校の運動部を極端にしたようなもんで、ロケット開発に携わる技術将校だから「技術系」「理系」でもある。汗臭くてオイル臭くて計算尺とか持っていそう。
当時のアニメに登場する「軍人」が、とことん非現実的だったことへのアンチテーゼだったのかもしれない。特にガンダムと名指すつもりはないが(笑)、アニメーターが戦争しているとしか見えない「戦争アニメ」が山のようにあった。アニメーター本人の理想化された自己像と、アニメーターが妄想する女性像。「女性兵士」が当然のように登場する時点で、決定的に現実を見失っているだろ、と。